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小屋閉めの雲ノ平 秋陽 



■山行日:2021年10月15日ー16日
■山:雲ノ平
■ルート:折立(05:20)ー太郎兵衛平(09:00)ー雲ノ平(14:30)
     雲ノ平(06:00)ー太郎山(10:40)ー折立(13:40)

小屋閉め

何故だかその言葉に惹かれてしまう、それも雲ノ平だとなおさらだ
その日までに水晶小屋、高天原山荘、薬師沢小屋などすべての小屋は閉められ
翌日には薬師沢を渡る橋も落とされて、奥黒部は人が立ち入ることが出来ない
冬の世界へと閉ざされて行く

そんな北アルプス最奥の地、雲ノ平の最後の日の
胸をしめ付けられるような寂しさを感じたかった

深夜の有峰林道は漆黒の闇の中
自分の運転する車のライトだけが頼り、そのライトに熊の親子が浮かび
慌てて急ブレーキを踏んだ興奮が冷めず、折立に着いても車中では寝付けなかった
予定を20分オーバーしてヘッ電で歩きはじめる
三角点からはくっきりと剱岳、これまで何度ここを歩いただろうか
こんなにも美しく大きな剱岳ははじめてだ
そして、ふり返る富山湾もここまで見えたことは無い
足元には朝靄に煙る有峰湖
その向こう、薄い雲海に浮くのは白山だろう
数歩進むたびに立ち止まっては秋の陽に照らされる風景に魅せられる
その横をトレランの若者が風のように走り過ぎて行く


北ノ俣岳の稜線はいつものように美しく伸びている

五光岩の手前
薬師の稜線を見上げると、避難小屋も薬師如来さまの祠も目視できる
あの向こうは切れたち、荒々しいカールがあるとは思えない美しさだ
惚れ惚れと眺めていると、後続のソロ女性が追い抜て行く
平日の今日は追い抜いて行ったランナーふた組と彼女だけのようだ
太郎兵衛平は、さきほどのソロ女性がぽつんと座るだけ
早々に缶ビールを求めて太郎小屋に入ると、しんと静まり返っている
もう夏は終わり、人は街に帰ったのだ
小屋にはそんな静けさが漂っていた
五光岩で追い抜いていったソロ女性と少し会話すると
富山駅前のホテルで前泊して始発の地鉄で有峰口へ
そして予約していたタクシーで折立へ来たそうだ
ザックもウェアも「山と道」ULスタイルの彼女は
雲ノ平にテン泊して明日は新穂高へ下る予定だけど天気が心配だと笑う
テン泊装備でこんな小さなザック、そして新穂へのワンウェイ
きっと山旅には慣れてるのだろう
その若さと笑顔は今日の秋陽と同じくらい眩しくて
先に発つ彼女を見送ると、薬師峠の方までふらっと散歩
紅葉が終わった黒部の山たちは、澄んだ空の下にこんなにも近く見える

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