扇沢の駐車場で仮眠から目覚めると、すぐに身支度をして窓口へ並んだ
大阪在住時は富山側からのルートが最短だったので、ケーブル1本乗れば
あとはバスが勝手に室堂まで連れてってくれる楽ちんルート
それに比べ扇沢からは乗り継ぎ回数も多く所用時間もコストもかかってしまう
でも、こうしてトロリーから電気に代わったバスに乗り地下道を抜け
針ノ木岳を眺めながら黒部ダムのアーチを歩いてると嫌でも山旅気分が湧き
なんだか楽しくなって来る、なによりも数年ぶりの室堂ターミナルは
あの独特な埃っぽい匂いや構内に響く喧騒さえもなんだか懐かしくて
その懐かしさは、ターミナルから外へ出て眩いばかりの秋晴れの下
石畳を歩きながら大日の稜線を見上げていると、一気に溢れ出してしまう
あぁ懐かしいぞ立山
想えばここから幾度も稜線を追いかけて歩き出したもんだ
と、いくつかの縦走や雪山登山の記憶が蘇り
なんだか胸が詰まって脚が進まなくて
なんだろうこの感情は、こんなにも懐かしさが溢れてくるなんて




龍王から下ると縦走路を進む
ここは、ガレたカンジのトレイルを急激に下らされる
この先を歩くのは縦走者だけ、前にも後ろにも人はいない
地図にも「急坂」と記されている場所を下ると
鬼岳の裾野のトラバースを歩きながら振り返る
と、デジャブのようにあの日の事が蘇った
あれは2008年の夏、もう14年も前?
嫁さんと初めて二人での縦走は、このルートで薬師岳までだった
このトラバースはまだ雪渓が残っている上に小雨が落ち始めて
嫁さんが滑落しないだろうかと、レインスーツでよちよち歩きの姿を
振り返り振り返り歩いたっけ
雪渓を超えて安全な場所になると、ほっとしてへたり込んだ姿が
まるで昨日のことのように蘇る
そのとき撮った一枚の画像は、夫婦のお気に入りだ
あの日は獅子岳へ登り返したところで長い休憩を取ったっけ
柿の葉寿司を頬張りながら、ビールが無いことに文句を言ってな
なぁんて、14年も前のそんな小さなどうでもよいことが
どんどん頭の中で蘇って来る不思議
獅子岳を回り込むと鉄のハシゴ
そうそう、こんな梯子だったよ、ここから急降下して行くのだ
懐かしきザラ峠の下りは、二度目でも歩きにくく時間がかかってしまう
でも、ここを超えて登り返す先、もう五色ヶ原がすぐそこに見えている
テントを設営するのが先だ、ビールはその後ゆっくり飲めばいいさ
と、いつもの手順で進めたいが、どんどん稜線は色付いて行き
その姿をカメラに収めたい、いやでもテントが先だ、それよりも
喉の渇きが限界で、早くビールを!いやいやテントだろって!
あぁもう、どうすりゃいいんだ
やっと腰を据えて缶ビールを手にした頃
空が、稜線が、木道が染まり始めた
さぁテン泊の夜はこれからだ























コメント
コメント一覧 (2件)
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うわっ、このご夫婦の写真覚えてます。以前のSlow trekking の表紙にあった写真ですね。
我が家も夫婦で山登りを始めた時期で、あれこれ参考にさせて頂きました。
それはそうと五色ヶ原へのトレイルって良い眺めですね~。お花も沢山咲いていそうだし、静かそうだし・・・。
薬師までは無理でも、小屋泊まりで行ってみたくなりました~ (^^)/
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GRIさん
えええええーっ!
確かにこの画像使ってました!よくぞお気づきで!驚きです
なんだか、めっちゃ嬉しいですありがとうございます^^
この縦走路最高に美しいですよ、小屋泊まりもアリです
お風呂も葉入れる小屋なので、ぜひ来シーズンどうぞ^^ 0