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夏の槍ヶ岳ぐるりっぷ 2023′ 槍から下山



■山行日:2023年08月18日ー20日
■山:双六岳ー槍ヶ岳
■目的:槍ヶ岳ぐるりっぷ
■ルート:鍋平駐車場(07:00)-鏡平(14:00)-双六小屋(16:00)
      双六小屋(04:45)-双六岳(05:45)-槍ヶ岳山荘(12:50)-ヒュッテ大槍(14:00)
    ★ヒュッテ大槍(04:00)ー槍の肩(05:15-06:30)ー槍平小屋(09:40)-鍋平(14:00)

3時半に弁当を受け取ると、まだ寝ぼけてる身体でヒュッテを後にする
外のベンチでパッキングを確認しながら空を見上げる
まだかろうじて星が残る空の下、黒い槍が聳える姿にため息ひとつ
消えて行く星空と槍の姿に見とれてるうちに時間は過ぎ
歩き始めたのは4時、気付くと星は消え去って東の空が赤く染まり始めていた
そして槍に向かっていくつかの灯りが動いて行く姿が目視できる
もう今日の北アルプスは動き始めている
徐々に空が明るくなると朝焼けの槍穂のあまりの美しさに脚が進まない
山荘前ではもう槍へ登る準備をしてる人たちで溢れかえり、その喧騒に圧倒されてしまう
ここで焦ることはないさ、団体さんが降りてくるまでこの美しい朝を楽しもう
と、山荘周辺を歩いていると、笠ヶ岳に槍の影が映るシーンに出合った
こんなシーンに出合えるだなんて!
13年前は朝イチで槍を登って、降りて来たところで富士山が見えて、ただそれだけで感動したっけ
若き日の一瞬を想い出すと、なんだかずいぶん遠い所へとやって来た気がする
さぁ、13年ぶりの槍だ、ゆっくり楽しもう
やっと今日も朝からハイテンションなチーム・コリアの二組が下山したのを見計らって
さぁて、とヘルメットを被ったときに違和感を覚える、あれ?どこだ?ん??
なんと、ヘルメットの顎紐を止めるバックルが無い・・・モンベルのこの製品は
この部分が取り外せるようになってはいるけれど、いつの間に?
しばしヘルメットを手に悩む。細引きで括り付けてみると、なんとか固定はする
これで登るか?いやいやよく考えろよ、これって万が一の時のために着けるモノだ
その万が一の時に外れたりしたら意味ないじゃないか
きっと山の神様が、またおいでよって言ってくれてるんだ
今日はあきらめよう

今回の下山は南岳へと稜線を辿って、南岳新道で槍平へ下る初めてのルートを考えていたが
昨晩ヒュッテで、明日は今日よりも早く天気が崩れるから早や立ちを、と聞かされて
あの稜線上で雷雨なんて逃げ場も無いので断念することにした
千丈乗越まで、ゆっくり下ると腰を降ろしてヒュッテのお弁当を頂く
このお弁当も最高に美味くて大満足
乗越で朝食を終えると、登れなかった槍に挨拶をして下山
南岳ルートを断念した代わりに、久々に奥丸山経由で槍平へ下ることにして
笠ヶ岳に向かって尾根を下り始める、なんと素晴らしいルートだろうか
と、これも13年ぶりとなるルートを歩いていると、樹林に入る手前辺りから様相が変わる
なんだ?刈り払いされていないぞ?まぁ、ルートはこれっきりで分岐も無かったし大丈夫だろう
その状況を甘く見過ぎていたことに気付いたのは
完全にトレイルが消え目の前はただのブッシュ状態になった時だ
どうにか足先で探りながら恐る恐る歩くしか無くて、見えない足元にある
濡れた岩に躓いたり滑ったりで藪の中で何度か転倒し、挙句の果てには
西側へ巻くところでは濡れた笹を踏み2mほど滑り落ちてしまう始末
ようやく奥丸山分岐まで辿り着いた頃には心身ともに疲れ果て
朝露に全身はずぶ濡れで、目の前に広がる穂高連峰パノラマも楽しむ余裕も無く
へなへなと座り込んでしまう、体たらく
どうやら奥丸山方向も整備されていないようでトレイルは見えず
濡れたカラダは冷え切って震え初めて、もうすぐにでも槍平小屋へ下ろう
13年前に食べて美味しかったラーメンをもう一度食べるんだ!
真夏なのに震えながら、ラーメンの湯気だけを想いながら小屋まで急いだ
しかし、、、
這う這うの体で辿り着いた槍平小屋で、そのあまりの変わりように愕然とした
なんと無人、そして飲料とカップ麺の販売機があるだけ・・・
13年もあれば、こんなにも変わってしまうものなのか
あのラーメン食べたかったな


ずぶ濡れになった服を上下ぜんぶ着替えて、短パン姿で身体を乾かしていると
もう遠くでゴロゴロと雷が聞こえている
まだ10時だぞ?早すぎないか?と文句を言っても仕方ない
初の短パンスタイルでの北アルプス下山を急いだ

滝谷辺りから落ち始めた雨は、下山するまで降り続け
南岳新道下らなくて正解だったなと思う反面、いやいや奥丸山もヤバかったじゃないか、と苦笑い


鍋平までの長い長い道のりを経て車に戻ると、いつもの梓湖畔の湯をあびて
食べそびれたラーメンの代わりに、いつもの新村の松花で中華そばを食べて旅は終わり
槍を中心にぐるりっぷな山旅
20年近く登山をやっていて初めて歩いた双六岳と西鎌尾根
やはり何度歩いても北アルプスは素晴らしいと改めて感じた三日間だった
やっと体感することが出来た双六からの槍
心震える樅沢岳からの黒部
一瞬の奇跡だった笠ヶ岳に映る槍の影
そして奥丸山でのちょっとしたトラブル
何よりも、次から次へとよみがえる過去の山行シーンの数々が
心に浮かぶたびに立ち止まり、あの日と同じ空を見上げて、ひとり苦笑い
そんな想い出に浸れる幸せを感じる山旅になった
(備忘録)
下山した二日後のこと、奥丸山についてネットで調べると、下山した翌日に藪が刈られたとのこと
ほっとした半面、何故に今頃?8月後半になって?と釈然としない気もするが
奥丸山に登る前には槍平小屋へ確認しなけばならないと記しておく(って、もう行かないか)

コメント

コメント一覧 (2件)

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    入れたと思っていたコメント入れてなかったみたい(^^ゞ

    笠ヶ岳に槍の影が映るシーン、なんとも壮大で素敵です。
    私も見たかったなぁ。
    そして、コロナ以降の山小屋の変貌ぶり、
    いろいろ耳にはしていますが槍平小屋も無人、ですか…。
    ところで今年はどこへ遠征(中)?
    スロさんの山レポ、すごく楽しみにしています♪ 0

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    palletさん

    わざわざ想い出してまでコメント頂いてありがとうございます^^
    槍影、なかなかのシーンだったでしょ、写真じゃ伝わりませんが
    やはり現地で泊ってでないと出合えないシーンってありますよね。
    そうなんです、山小屋はどんどん変わってってます、やはり山小屋
    にまでも人手不足の影響は出ているようで、これからもっと効率化
    の名のもとに味気ない変化を感じることになると危惧してます、、、

    で、最後の2行はそろそろ記事をアップしなさいよ!という
    palletさんならではの優しいお叱りかと(^^;
    も少しお待ちくださいね^^ 1

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