■山行日:2021年07月30日ー31日
■山:薬師岳
■目的:黒部を望む
■ルート:折立(04:45)ー太郎兵衛平(08:45ー09:15)ー薬師岳(12:00)ー太郎小屋(14:00)
太郎小屋(05:30)ー太郎山(05:50ー06:20)-折立(09:00)
小雨の降ったり止んだりする中を薬師から下山開始
お花畑の美しさも雨に煙り、むりやりカメラを出す気もならず
朝から行動食だけで腹ペコだったこともあり、急ぎ足で太郎小屋まで戻った
2015年の10月
小屋締め前夜に泊って以来の太郎小屋は、漂う空気さえ懐かしく
たしか泊まり客はほんの数人で、翌朝は小雪が舞ってたんだ
あの朝は寒かったな・・・遠い日の記憶が蘇る
受付で精算していると、ジャージ姿の見覚えのあるオヤジさんが座っている
なんと太郎平小屋グループのオーナー五十嶋さんだ
確か一昨年に傘寿を迎えられたとFBにお祝い画像が載っていたはずだ
まだ現役で小屋にいらっしゃるとは素晴らしい
泊まり客の食事が終わった頃、なにやら無線のやりとりが廊下に響き緊張感が漂う
どうやら立山方面からの縦走者がまだ到着しない模様、外は雨だ
その登山者が経由した同じグループのスゴ乗越小屋とやりとりを繰り返しているが
埒が明かない様子に五十嶋オーナー自ら無線機前に陣取り指揮を執っている
こんなピリっとした空気も山小屋ならではのものだ
太郎兵衛平が夕闇に包まれ出した頃
どうやら立山からの縦走者も峠のテン場を通過したようだ
ふっと小屋の空気も緩むと雨も上がった
残念ながら夕景は曇り空、さぁて明日の天気はどうなるのだろうか
翌朝05時に小屋の前に出る
なんだ、晴れてるよ
こんな天気だったら薬師は今日踏むべきだったか
なんてこと言っても仕方ない
どうやら昨日と同じように午後から崩れるようだ
じゃ今日は太郎山をぶらっとして下山とするか
朝陽の輝く峰々を望みたいと、足早に縦走路へと進む
雲ノ平の分岐からは黒部五郎へ向かう人が多く、このルートの人気の高さを感じる
その縦走路、ほんの10分ほど木道階段を登り、ふり返る
こうしてみると太郎兵衛平にも小さな池塘が点在しているのが分かる
その太郎兵衛平を朝霞が流れては消えて行く
そして目の前には朝陽に輝かんばかりの北ノ俣の姿
ここから縦走路を右手に入ると太郎山
この太郎兵衛平からたった10数分のピークが、実は穴場なのだ
なぜか太郎兵衛平よりも薬師が近く感じられ
黒部五郎から水晶岳までの黒部オールスターはもちろん
有峰湖から富山湾まで見渡せる
大展望の小さな山だ
こんな天気だと、何時間でもここに座っていられるだろう
素晴らしき朝の黒部に酔いしれた
縦走路に戻ると、次から次へと現れる登山者たち
もうすぐ6時半だ、皆さん今日中に五郎まで届くのだろうか?
と、心配はんぶん、羨望はんぶん、彼らを見送りながら太郎兵衛平へ
太郎小屋の前では恒例のラジオ体操が始まったところ
五十嶋オーナーも頑張って体操されている姿を見てると微笑ましく
ついついザックを降ろして一緒に体操に加わる
体操が終わると「お世話になりました」五十嶋さんに挨拶すると
チャーミングな笑顔で応えてくれた
さぁ想い出の地から下山だ
北アルプスに行ってみたい、そう初めて思ったのは、登山を始めて二年目
山と渓谷にあった両開きの写真がきっかけだった
それは月夜の雲ノ平を写した、まるで夢のような美しい情景
あぁこんな所を歩いてみたい、こんなシーンを見てみたい、と思いは募り
初めての北アルプスはここ薬師岳、そして翌年憧れの雲ノ平を歩くことが出来た
その登山後記として当時のブログにこんな想いを残していた
有峰林道のリーフレットに
有峰森林文化村の稲本さんの言葉が引用されている
あなたの好きな森とあなたの好きな木を最低一つ
日本のどこかに決めて欲しい、そして時々会いに行って欲しい
きっと人生が豊かになるだろうから
この名言に頷きながら黒部を想う
今の私が好きな森、好きな木は黒部源流を巡る山々にある
毎年のようにこのエリアを歩いていても
黒部の森に立つだけで、昨日のように切なさがこみあげて来る
十数年経っても、やはりここがいちばん好きな森
ここが自分の北アルプス原風景だ
コメント
コメント一覧 (10件)
SECRET: 0
PASS:
いいな~薬師岳!
私もS字カール見にリベンジしたくているんですが、
どうもタイミング合わなくて。この週末も出遅れました。
週末なのに小屋の予約良く取れましたね♪
朝登って、その日のうちに薬師岳ピストンだなんて、
スロさんこの状況下でも衰え知らずですね~
それにしても画像拝見しているだけで自分の周囲の空気が澄んでいくようですよ。
スロさんの写真はココロに響くんですよね~
画像もこのくらい大きく貼るとやっぱり良いですね。
小さいのと大きいのでは伝わる大きさも違います。
>あなたの好きな森とあなたの好きな木を最低一つ
日本のどこかに決めて欲しい、そして時々会いに行って欲しい
きっと人生が豊かになるだろうから
ステキな言葉。
私も太郎平と、そこからつながる黒部への道が一番好きなエリアです。
何度でも行きたい。富山鮨も・笑
2
SECRET: 0
PASS:
こんにちは。
私も太郎山から見るこの景色大好きです!
https://sorairo02.exblog.jp/19326613/
そして、私もcyu2さんと同じ、ここは何度でも行きたいエリアです。
雲ノ平山荘も新しくなってから(って、ずいぶん経つよね)行ってないので
ぜひもう一度行きたかったんですが…。
このトシになってからコロナ禍で2年続けてほとんど山を歩いてないので
北アルプスも随分遠くなってしまったように感じるこの頃です。
私の好きな森と好きな木…考えるうちにいろいろな思い出がよみがえって来そうです。
素敵なレポをありがとうございました。 1
SECRET: 0
PASS:
cyu2さん
>タイミング合わなくて。この週末も出遅れました
って?薬師行くつもりでしたか?今ね、有峰林道通行止めなのです
行くなら私と同じ飛騨側から=バス無しなのです、林道のサイト要チェキ!
画像はね、確かにある程度のサイズは必要かと思いますね、まあ私はそれで
ごまかしてるだけですが^^;
当日に薬師まで届くかどうかは、歩き出しの時間次第でしょうね
バス利用だと、ちょっと厳しいかもしれません、cyu2さんもそんなに
ここが好きだとは~、なんだか嬉しいです^^ 1
SECRET: 0
PASS:
palletさん
なんと!
palletさんの過去レポ参照したら、2008年8月1日から4日間の縦走!
あのね、我が家はそのルートを8月9日から歩いてるんですよー
えぇ、ほんの一週間ほどのニアミスでした!なんだか嬉しいな^^
>私の好きな森と好きな木…考えるうちにいろいろな思い出がよみがえって来そうです。
はいはい、良いですね、そうやってふり返ることが出来る山行があるって
幸せですよね、だから、こんな私的な記録でも残していたいなって思います
北アルプスがpalletさんを待ってますよ^^ 1
SECRET: 0
PASS:
あいかわらず 文章がジワンとくるけどw どんな仕組みなんだろね?
こうして太郎小屋の情景を文章にて接すると いろいろ思い出されます。五十嶋さん 当時バリバリでした。食事も良くなってるし、、、あの日はラジオ体操して、余裕で黒部五郎小舎に向かったっけ。
太郎の小屋に泊まったのはもう記憶の彼方。長女が中二で次女が五年、末っ子が四年。30年までは過ぎていないけど。。。 0
SECRET: 0
PASS:
tabilogue3さん
ジワンと来ましたか(^^)
では太郎小屋は約30年前ってことですね?
そりゃ五十嶋さんもバリバリだったことでしょう、今やすっかり好々爺^^
こんな記事でも遥か遠い日を想い出して頂けたなら嬉しいことです
私もいつか、そうやって想い出せたならとブログに残してます 0
SECRET: 0
PASS:
あなたの好きな森とあなたの好きな木を最低一つ、
日本のどこかに決めて欲しい、
そして時々会いに行って欲しい
きっと人生が豊かになるだろうから。
やばい!
なんだろう、わたし考えたことがなかった。
えっ、好きな森?好きな木?
徳澤園のカツラの木?
天生湿原のカツラ門?
天生の森?いやいや、どこだろう、
どこが好きなんだ~、自分よ。
太郎山の記憶が無いの、2018年の水晶岳
5泊6日ソロの最終が太郎平小屋で、
迷走台風接近で、
風に向かって歩いてた頃に見落としたかな。
好きな森、好きな木、
ちゃんと考えられる人になりたいわ。 0
SECRET: 0
PASS:
yakoさん
>どこが好きなんだ~、自分よ
そんな無理して決めつける必要はないかと思いますよ^^
あそこが気になるなぁ、また今度行ってみよっかなぁ
みたいな?そんなカンジなところ誰にもあるかと思います。
太郎山ってね、目立った分岐があるワケでもなく、縦走路から
ひょいって入ったところなのです、なので縦走の際は気付き難いかと
特に黒部からだと、もう小屋が目の前でゴール気分だしね^^ 0
SECRET: 0
PASS:
山経験の乏しい私には憧れの地、神の領域と思う美しい景色ですね。
いつかは行ってみたいです。
今回は弁当なしですか(=゚ω゚=)ニャンニャン 0
SECRET: 0
PASS:
おびんこさん
神の領域
ぜひ歩いてみてください
アプローチは大変ですが、難所も無く素晴らしい山です 0