
結局スゴ乗越小屋を押さえ、バタバタと用意するとその足で松本へ高速を飛ばし
いつもの湖畔の湯で汗を流し、奥飛騨を越え、富山方向へとロングドライブで
有峰林道ゲートのクローズぎりぎりで折立へ着くと、第二駐車場で夜明けまで仮眠
4時過ぎに歩き始め、三角点までには空が明るくなる
その空の色に好天を予感して嬉しくなる
このルートを毎年のように歩き始めて何年になるだろうか
また新しくなったアラレちゃんを見て時の流れを感じる
三角点では雲海が流れ始めたところに、薄っすらと浮く剱岳
ちょっと幻想的でもある姿に脚を止めた
見渡す限りに広がる雲海を足元に
今日の薬師も美しく
ゆっくりと流れては消え去る雲海に
島影のように山並が浮かび上がって行く
真夏の陽射しが容赦なく照り付け始め、徐々にペースが落ち
どんどん後続の登山者たちに追い抜かれ、こんな状態でスゴ乗越まで行けるのだろうか
太郎小屋では日傘をさしてベンチに腰を降ろし
黒部からの風に吹かれてしばし休憩
さすが三連休のナツヤマ
小屋前には次から次へと登山者たちが人が行き交い
人の熱気があふれ賑わっている
そんな小屋を離れ、二年ぶりとなる木道を峠へと
そこだけは涼しい風の流れる沢筋をわしわしと詰めると
いつも脚を止める薬師平にはもう枯れてしまいそうなキスゲが揺れる
ここでテン泊したのは、もう何年前になるのだろう
黒部五郎の姿に、あの日の夕景を想う

12時40分
やっと登頂すると赤牛方向は今まさに夏雲が沸き上がるところ
あぁここまで長かった、暑かった、長かった
そんな風に暑さに耐えた時間も
夏雲の沸き上がるシーンをここから眺めることが出来るだけで報われるさ
祠の向こう、ちょっとした岩陰にTJARのスタッフが二名
稜線を目で追っているのは、立山からのランナーのチェックをしているのだろうか
そのスタッフを横目に17年ぶりとなる縦走路へと下り始める
こんなに激下りだったんだ、しかも岩場の連続
こりゃ気を付けないと
ガスの流れを見て、勝手に西側から風が吹いてくれると期待していたけれど
ほぼ無風、そして岩稜からは午後の陽射しが照り返され
まるで炙られているようだ
ガスの消え去ったカールの姿を眺める余裕すら無く
何度も何度も小休止をとって息を整えながら進む
ここでふらっとした日にゃ一気に岩々の谷へ滑落だぞ
北薬師への登り、途中で完全に座り込む横をランナーたちが駆け抜けて行く
彼らの飛ぶように岩稜を駆け抜ける姿に感動すら覚えながらも
どうか事故のないように、と岩にしがみ付きながら見守っていた
その北薬師を踏むと、あぁここまで来たらもう小屋はすぐだ
と、これまた大きな勘違いで、その先の長いこと
そりゃそうだ、間山もあったじゃないか
もう完全にガスに包まれて眺望のないアップダウンをゆっくりと進む
ときおりすれ違うランナーたちに道を譲り
ガスの中をとぼとぼ歩き続け、スゴ乗越小屋への到着は16時
折立から11時間45分?自分の計画では10.5時間をイメージしていたのだ
いや、あれだけ立ち止まり、座り込み、岩に背を預け、暑さと格闘していたのだ
そりゃこれくらいかかるさ、と自分を慰めた
17年前はテントだったので、小屋へ入るのは初めてとなるスゴ
なんと小屋前はTJARの応援にかけつけたファンの皆さんで大賑わい
選手が通過するたびに声をかけ、手拭を振り
中には応援メッセージ付き団扇を持つ人まで、、、ここはスゴ乗越小屋だぞ
北アルプスでも秘境に近いとされる山域だぞ?なんだこの賑わいは
静かな山小屋で、17年前となる縦走を思い起こしながら過ごす
そんな甘酸っぱい期待はむなしくも消え去り
ちょっと異様とも言える熱気にあっけにとられながらも
次に通過する人をアプリでチェックしては読み上げる声が気になって
いつの間にか一緒に拍手で迎えながら応援に加わっていた


























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