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額装富士を遥拝 七面山



■山行日:2025年02月09日
■山:もうひとつの七面山
■目的:額装された富士山を遥拝する
■ルート:表参道登山口(07:20)-敬慎院(10:30)-三角点(11:30)ー参道登山口(14:45)

雪の状況が今一つな週末、ずっと暖めていた山へ
それはもうひとつの七面山
自分にとっては七面山と言えば、ホームである大峰山系の七面山
なので、この山梨県の霊山は「もうひとつの」七面山なのである

表参道登山口、そこは大きな杉の木に囲まれて、すでに霊山の空気に包まれていた
その凛とした空気の中歩き始めると、やはりここは登山道ではなく登詣道であることを知る
広いところでは幅4メートルほどだろうか、階段となった参道脇には
歴史を感じさせる杉の巨木が並び、冬の空を遮っている
徐々に朝陽が射し込むようになった参道、その北方向に白い稜線
なんと南アルプスじゃないか!山頂から拝めるのだろうか
期待にわくわくしながら進むと、十三丁の肝心坊で一休み
参道には四件の坊(休憩所)があって、ここはふたつめだ
全国からお参りに来られる講の名が刻まれた札が貼られ、少し埃っぽい空気が
ホームである大峰は山上ヶ岳の参道を思い出させてくれる
きっと今頃、大峰は雪に埋まっているだろう
肝心坊を過ぎると参道には雪が残っていて、徐々に足元が怪しくなり始めたので
無理せず早めにチェーンスパイクを着けた(いや、もう滑って骨折なんて勘弁)
みっつめの中適坊でスパイクを着けて、ふたつくらい九十九折れを越えると
それは突然に目の前に現れた
北岳が目の前に!
そうだったのか、、、南アルプスがここまで見えるなんて予備知識は無かった
これは嬉しい誤算だけど、七面山のピークからは何の展望も無いそうなので
こうして登詣道から樹林の合間に見るだけなのだろう、いやそれでも素晴らしい
東には甲府盆地が広がり、その奥の方に並ぶのは奥秩父の山たちだろう
しばしベンチにザックを降ろして眺めに癒される
けっこう登っているはずなのに、さほど疲れを感じないので休憩もなし
それはきっと参道がゆるく九十九折れを繰り返し、小さな歩幅で登れる
階段状になっているからだろう
だんだんと足元の残雪が深くなり、杉の木も背が高くなったと感じた頃
七面大明神の神域との境界になる和光門が立ちはだかる
ひっそりと、それでいて荘厳な立ち姿の門を潜ると、心なしか空気が変わった気がした
それは神の域に入ったからだろうか

きっと気のせいさ、そう感じたいだけなんだろ?と自分を笑いながら
雪をきゅっきゅと踏みしめて参道を進み、鐘楼を過ぎると敬慎院
そして階段を進むと


見事なまでに山門に切り取られ、その門に額装された富士の嶺

ご来光遥拝所である広場の手前に、この門を設けたセンスが素晴らしい
額装された富士を拝むことを計算されて建てられたとしか思えない随身門
その門構え自体にも力強い威厳がある
大峰の七面山は、その山自体が信仰の対象であり
修験道である大峯奥駈道から遥拝する対象となっているが
この七面山は神住む山でありながら、実は富士山こそが信仰の対象ではないだろうか
目の前に迫る距離に在りながら
迫力よりも荘厳なる美しさに圧倒され、そんなことを感じた
今日の目的であった随身門からの額装富士の遥拝
それだけでもう大満足で、このまま下ってもいいかと思ったほど
でも、二つ目の目的がある、七面山の山頂方向に進むとそれは現れた
地震で崩れたと謂われる、崩壊地の「ナナイタガレ」だ
迫力のあるガレは、残雪のおかげで陰影が濃くなり
より鋭い強さを演出してくれて見ごたえのある光景となっていた
山頂までは、随身門から300mも登らされる
ナナイタガレからの急登で、やっと登山らしくなった感もあったが
汗をかいて登った甲斐も無く、山頂の三角点は森の中
さぁて下山しようか


下山を始めると、和光門を少し下り、残雪が少なくなった辺りから
足元が箒で払ったように、きれいな線が残っている

誰がいつ?と訝りながら下山して行くと、身長が190cm近くありそうな
欧米系と見受けられる男性が熊手を手に汗をかきながら参道を整備されていた

その姿はまるで修行僧のようで、思わず「ご苦労様です」と声をかけると
男性は一瞬手を止め、深々と頭を下げ一礼すると、黙々と作業に戻られた

そのシーンは妙に清々しく心に残るものとなった


結局南アルプスは参道の途中で拝めただけだったな、と下山路でも脚を止めたが
実は七面山の何も見えない山頂から、さらに奥の喜望峰なるピークからは
南アルプス大展望が広がっていることを下山後に知ることになり
こんなにも素晴らしき冬晴れの日に、その大展望を拝めなかった悔しさに凹んだ
富士山に最も近い2,000mの霊山
もうひとつの七面山、またいつか

コメント

コメント一覧 (5件)

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    ここ、泊まりで行ってみたいんですよね〜
    けどやはり富士山を拝めるときに行きたいし、
    天気を見て日帰りがいいのかな。
    これくらいの雪のつきかたがまたいいなぁと思います。
    私にとって七面といえば七面鳥です。 0

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    こんばんは。
    なんとも懐かしい七面山なので…またまたお邪魔します(^^ゞ
    40年位前、敬慎院に泊まって翌日は八紘嶺から梅ヶ島温泉へ抜けたことがあります。
    私は3月末?の残雪の季節でした。
    でもこんなに景色のいいところだった記憶がないのです、お天気悪かったのかも?
    思い出すのは敬慎院の敷布団が10m以上もあるほど長くて
    体育のマットをくるくるまいたようなものだったこととか
    梅ヶ島温泉で湯あたりしたこととかばっかり(^^;
    スロさんのレポで七面山のすばらしさ、再?認識できました。
    ありがとうございました(^^)/ 0

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    追伸です。
    どうでもいいことなんですが30年前か40年前か気になって
    昔の記録引っ張り出してみたら1993年3月21・22日で32年前でした。
    想えば遠くへ来たような来てないような微妙な気分です(^^ゞ
    何度もお邪魔してごめんなさい。 0

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    ケーコちん
    たしかに、この日の雪の量はちょうど良いカンジでしたね
    有った方が綺麗だけど多いと疲れるし、という我儘^^;
    泊りと言いますが、宿坊ですよ?翌朝は5時くらいからお勤めです
    いつものように深夜まで飲んだくれてたり出来ないんですよ~
    きっと違う意味で苦行になりますよね^^
    >私にとって七面といえば七面鳥です。
    いや、そんなオチ付けなくても(笑) 0

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    palletさん
    わざわざ追伸までありがとうございます^^
    32年前ですか~、きっとバリバリ健脚だったことでしょうね
    この日はほんと冬晴れが素晴らしくて、そのぶん七面山からの
    景色の美しさが増したのではないでしょうか~。
    敷布団ですよね?実は私も宿坊に興味があって調べたんですが
    今も、長ぁい巻き巻き布団みたいですよ^^あれは何でしょうね~
    遠い昔の良き思い出を久しぶりに思い出すことが出来て良かったですね^^ 1

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