MENU

静かなる楽園 鬼怒沼

■山行日:2012年06月30日(土)
■山:鬼怒沼山
■目的:花と水に癒されに
■ルート:駐車場(08:00)-日光沢温泉(09:40)-鬼怒沼(11:40-13:40)-駐車場(16:00)

一ヶ月ぶりの休日、やっと自由な一日、本当は尾瀬を歩きたかった
のんびりと静かに歩いて、ささくれ立ったココロを癒したかった
でも、梅雨の中休み、間違いなく尾瀬は人混みで凄いことになっているだろう
山友から餞別で頂いたガイド本「栃木県の山」をパラパラとめくりながら悩む
あ、ここっ!とあるページの画像に惹き込まれて一瞬で決めた、ここだ、鬼怒沼に行こう

これでまた当分は歩けないのだ、心行くまで楽しもう
と、例によって思いつきの山旅は始まった・・・

東北道を北へと走り、奥日光を越えてやって来たのは奥鬼怒、もちろん初めての地だ
起点となる女夫渕(めおとぶち)温泉駐車場からは林道のゲートを越えて進む
砂埃の舞う林道を二度ほどカーブを周ると、遊歩道の案内に従って林道を離れる
立派な橋を渡り左岸に着くと、水ナラの森が新緑を滴らせて迎えてくれた

左岸に着いた遊歩道は、大小の橋で三度ほど右岸に巻く
久しぶりに浴びる初夏の陽射し、新緑からの木漏れ日に何度も足が止る

やはり尾瀬に比べると人が少ないようだ、温泉客、釣り人の数人としかすれ違っていない
1時間も歩いた頃、ログハウスの大きな温泉、八丁湯が現れ、その横を通り過ぎると
何とも不釣合いな3階建ての加仁湯温泉がある、温泉客は林道を走る送迎バスでやって来るようだ

二つの温泉を過ぎて川沿いに進むと、やっと日光沢温泉
下の温泉とは異なり、なんとも風情のある温泉旅館スタイル、それもそのはず
ここは山小屋なのだ、だから日光沢温泉は送迎はしていない、山小屋だもの
その山小屋2階の渡り廊下を潜ると、登山口となる、ここからが登山、約3.5キロの行程だ

やっと始まった登山道、これまた立派な橋で左岸に渡ると急登が始まる
木漏れ日の中、川の流れを聞きながらわしわしと登る、さぁ久しぶりに歩くぞ!
と、すぐに足が止る、滝だ、あまり存在感の無い小さな滝だけど
木漏れ日に飛沫が輝くシーンに見とれ、長い間立ち止まっていた
対岸にあるオロオソロシの滝を望む展望台を過ぎた頃から、さらに急登が続く
まだ1キロしか歩いていないのか?小刻みな案内板はかえって見ない方がいいかもな
汗びっしょりで登り詰め、あと0.7キロの案内を過ぎた頃から、徐々に緩やかになる
空が近くなっていると気付いた頃、木道が現れ、やがて突然視界が広がる

あぁ

これって、これってまるで北アの薬師沢からコケの岩を踏み続け、やっと現れた雲ノ平のようだ

標高2020m、南北720m、東西410m、周囲約4キロの高層湿原
この鬼怒沼には大小48もの池塘があると言う
尾瀬よりも600mも高く位置するこの湿原には、ほんの2週間前まで残雪があったそうだ
雪解けの春は一瞬で過ぎ去り、8月には草紅葉となる湿原に
チングルマ、イワカガミ、ワタスゲが揺れる短い短い夏が今まさに始まったところ


池塘は梅雨の雨がたっぷりと貯えられて、碧い空と白い雲をくっきりと映し出している
その姿は、まるで48枚の鏡


その鏡たちが南からやって来た一瞬の風を受けて同時に波立ち
チングルマが、モウセンゴケが嬉しそうに揺れ
ワタスゲが弾けたように舞う


まるで短い夏の始まりを湿原に寄り添う小さな命たちが喜びあっているよう

ここは
ここは、楽園だ

しゃがみ込んでは花を愛で、木道をふらふら歩いては静かな風に吹かれ
渇き切ったココロもすっかり満たされて
さて、ランチを頂いたら鬼怒沼山へ20分の登山だ
と、独りベンチで自作お弁当を頂いてるうちに南から濃いガスが湧いて来たかと思うと瞬く間に広がり
いつの間にか数メートル先の木道さえ見えなくなるほどのガスに囲まれた


何だこれ?いくら鬼怒沼山は目の先だと言っても、このガスではちょっと
・・・ま、いいか、いいよな

目も覚めるような青空と、ガスに浮く木道とワタスゲ
そんな贅沢なシーンを味わえたら、今日はもういいか
楽しみにしていた、鬼怒沼山の小さなピークから望む燧ヶ岳、それは秋にとっておこう


もう秋まで歩けないのに、ピークからの展望も諦めた
そんな寂しさに後ろ髪を引かれながらとぼとぼ下山

そうだ、もう一つの楽しみがあるじゃないか
ふふふっ
なんて、一人ほくそ笑みながら下山していると、圏内に入ったタイミングでザックのポケットが揺れる
マジ?恐る恐る会社のケイタイを確認すると、どうやら明日は出社しなければ・・・
あぁーぁ、あの温泉旅館風な山小屋に泊まるつもりだったのに
白濁の温泉に浸かって、ビア飲んで、また浸かって
山菜料理と岩魚の塩焼きで、またビア飲んで・・・

よし
次は秋だ、そのときは縦走しよう、尾瀬から縦走しよう
そのときこそ、この日光沢温泉に泊まって岩魚で一杯だ、そのときは熱燗だ

ブログランキング・にほんブログ村へ
■RANKING■

加仁湯温泉の足湯でまったりしながら、そんなヤボーを肩に留まった赤トンボに話しかけながら
一ヶ月ぶりの、そしてこの夏最初で最後の小さな山旅の余韻に浸った

コメント

コメント一覧 (10件)

  • SECRET: 0
    PASS:
    大峰や台高とはまた違った風景に癒されますね
    もし、もし、日が合えば秋に行きたいなぁ

    0

  • SECRET: 0
    PASS:
    ここ良いですね!
    ボクもここ一人で歩きたいな~
    雲ノ平もネ! 0

  • SECRET: 0
    PASS:
    お忙しそうですね。
    そんな中の貴重な休日を充実させられて何より!
    新緑も最高!広い湿原がとても美しいです。
    「ええなぁー!」 0

  • SECRET: 0
    PASS:
    おやじさん

    >もし、もし、日が合えば秋に行きたいなぁ

    ぜひとも、奥様といらしてください
    そのころには、私の今のバカみたいな忙しさも和らいで・・・
    いるかなん^^; 0

  • SECRET: 0
    PASS:
    たかっさん

    ま、和歌山から来られるほどかと言えば、そうでもないかも
    今年は、奥様を雲ノ平へ連れてってあげてくださいね 0

  • SECRET: 0
    PASS:
    すぎちゃん

    すぎちゃんほど遠距離移動はないのですが
    休めない、睡眠時間ない、そのうえ独り暮らしでしょ
    もう、毎日がムチャクチャです
    だからこそ、この楽園は癒されましたです 0

  • SECRET: 0
    PASS:
    ルネさん

    >日帰りで、ささっと行けるところにあるなんて・

    えーっ、だってぇ、2時間以上かかるんですよぉ(まだ言うか)
    先日、大峰釈迦ヶ岳行ったのですが、大阪の自宅から
    遠いのなんの、上州はいいところですよ、ぜひ単身赴任
    お勧めします^^ 0

  • SECRET: 0
    PASS:
    目黒駅は品川区 さん

    >連休に大清水からテント泊で尾瀬沼まで縦走しました

    あー、これです、このルート私も秋に歩きたいのです
    ブログ拝見して、ますます想いが募ってます
    コメントありがとうございます^^ 0

ルネオバ へ返信する コメントをキャンセル

目次