

鳩待峠に着いて驚いたのは、見知らぬ建物が二棟並んでいたこと
そのおしゃれな雰囲気は、ここ鳩待峠に似合っているのか否か
なんだか知らない場所に来たような違和感を抱きながら歩き始めた


尾瀬に通い始めたのは、関東暮らしを始めてからのこと
なのでもう10年以上過ぎているのだが、実は至仏は未踏だった
何故なのか、、、
自分でもこれといった理由は見当たらない
いつでも行ける山だから?
いや正直に言うとあまり惹かれなかったからだろう


人の多さから、いつしか尾瀬ヶ原から遠ざかり
歩くなら静けさに包まれたアヤメ平か尾瀬沼
登るならいくつもの田代、池塘が輝き、尾瀬の美しさが集約された燧ヶ岳
いつの間にか、それが自分にとっての尾瀬になっていたのだ


そんなことを思いながら、50分で山の鼻
鳩待峠からはずんずん下るだけ、なのにもう汗だくだ
研究見本園と名の付く湿原
花の盛りを終えた今、少し寂しそうな姿にも見え


その湿原を抜けると、至仏への登山口となる
歩き始めは階段になっているが
やがて足元には、こぶし大ほどの岩がごろごろ
樹林の中は風も通らず、ほぼ蒸し風呂で
やはり夏の尾瀬は暑いと実感


この日の天気予報は午前中晴れ、午後からは雷雨だったはずが
早朝からのガスも抜けず、曇天の様子にうなだれて登り詰める
ふと気づくと風が通っている
森林限界を抜けたのだ、これで少しは楽になるか


そう安堵して休憩がてら腰を降ろすと
パラパラパラっと大粒の雨
その雨に歓喜の声を上げるハイカーたちに紛れ
自分も天を仰ぎ、雨を全身で受け涼んだ


夏の空のほんの一瞬の空の気まぐれに喜んだのも束の間
稜線が見えるようになると再び、じりじりと陽射しが照り付ける
振り向く尾瀬ヶ原はガスの中、周囲の山も同じような景色なのに
何故かこの至仏の上だけが青空なのだ



その山頂に、白い塔のように雲が立ち上がっては
空に押し返されて、ちぎれては尾瀬ヶ原に消えて行く
それは不思議な真夏の空のショーだった





そんな自分が(自分だけが)知らなかった尾瀬の魅力を
またひとつ知った嬉しさを抱いたまま下山すると
やはり姿を変えた鳩待峠には改めて違和感を覚え
今や壊されるのを待つだけの「鳩待休憩所」の姿に寂しさを感じた

コメント
コメント一覧 (2件)
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スロさんは花に興味ないかもしれないですけど、来年は7月に歩いてみて下さいな。東京に比べれば涼しいですし(早朝だけ?)
固有種のオゼソウとかホソバヒナウスユキソウとかタカネシオガマとか、
岩の隙間にビッシリ咲く姿が健気で可愛いんです~♪
稜線はちょっとした高山の雰囲気もあるし、尾瀬ヶ原の眺めも素晴らしいし、本当に良い山ですよね、私は大好き。
今年7月に行った時はまだ鳩待休憩所は営業していたのですが、いよいよ寂しい感じになってしまいましたね。
あの階段に腰掛けて花豆ソフト食べながらバスを待ったり、食堂でお蕎麦食べたり懐かしい思い出になってしまいましたね。
来年の開山後にはどうなっているのかな・・・
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cyu2さん
そうですねー、初夏の頃は暑くも無く良さそうですねー
花はまったく分からないのでアレですが、爽やかなハイクが出来そう!
たしかに高山の雰囲気もありますよね、今まで歩かなかったこと後悔です^^;
>あの階段に腰掛けて花豆ソフト食べながらバスを待ったり
花豆ソフトは新たな尾瀬ベースでも売ってました
で、皆さんあの階段に腰掛けて食べてましたよ、そこは変わってなかった^^
けど、ほんと来シーズンにはどんな風に変わってるんでしょうね
尾瀬の美しさに変わりは無いのですが、玄関ともいえる場所が
一気に様変わりすると、ちょっと寂しいですよね 1