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草紅葉揺れる 尾瀬ヶ原

■山行日:2012年10月5日(金)
■山:尾瀬ヶ原
■目的:尾瀬デビュー
■ルート:鳩待峠(08:50)-山の鼻(09:50)-竜宮(11:35-12:20)-鳩待峠(15:00)

「来週そっちゃへ行くで」

例によって何の前触れもなくヨメからの上州上陸宣言メール
えーっと何日のことだ・・・なんと!3連休かぶってるじゃないか
私の、私の秋の北アルプス行はどうなるのだ
こんな場合は?なんと言って、お断りすれば良いのだ?とモタついてる間に

「尾瀬行きたいねん、連れてってな」

あぅ、休みを合わせることを前提とした2通目のメール、追い込まれたじゃないか
はっ、早く、お断わりメールを
えーっと、あ、い、に、く、そ、の、辺、り、は、すでに、と・・・
うっ、着メ来た

「今さっきクツとザック、宅急便で送ったし」

・・・留めの3通目で撃沈
私の、私の、私の秋の北アルプスよ
来年まで待ってておくれ

尾瀬では、ほとんどのハイカーは前泊で歩く
それは湿原ならではの朝靄が浮かぶ幻想的なシーンを目当てにしているからだ
なのに、我が家が戸倉駐車場へ着いたのはもう8時
ま、ヨメさんが遥々と上州へやって来たのは昨夜の23時だ、仕方ない
案内所に言われるがままにチケットを購入し、そのまま乗り合いタクシーへ
30分くらいだったか?うとうとしてる間に鳩待峠に到着すると、なんと賑やかなこと
アンラッキーなことに小学生の団体登山と鉢合わせだ

「お父ちゃん?なにコレ?ずんずん下ってるで?」

そう、鳩待峠から尾瀬ヶ原は標高差200mも下るのだ

「ふーん、楽ちんでエエなぁ♪」

帰りは当然登り返すことを、今は黙っておこう・・・ってか、分かるだろフツー

トレイルは沢沿いをずんずん下って行く、至仏の裾辺りを歩いてることになるのだろうか
紅葉は思ったよりも進んでない
それでもときおり立ち止まってしまうほど色づいた葉も覗く

「もー、底やろなぁ?」
「これ以上は降ることないやろぁ?な?」
「えーっ、どこまで行くんこれぇ?」
「お父ちゃん?この道間違えてへん?」

ヨメよ、お前の大げさな一声のたびに、小学生のクスクス笑いが聞こえるぞ
お願いだから、この美しい森で大声は止めようよ

沢を渡る橋の上、小学生グループが騒いでいる
どうやら岩魚がいるそうだ
その橋を越えてしばらくすると、山の鼻ビジターセンターだ

そして、山の鼻を越えてゆくと

「うゎーっ、これこれ、TVとかで観るのと同じやん、きれーっい!」

絶叫しながら木道を駈けてったヨメさんの後ろ姿は消えた・・・

眩いばかりの秋の陽射しに、草紅葉の海原が波打っている

池塘に映える空と雲
小学生たちの笑顔と歓声を飲み込んで揺れている

ヒツジグサのパッチワークも揺れている

尾瀬ヶ原全体が、緩やかな風に流されて、静かに静かに揺れている
このシーンは写真では伝わらないだろうな

牛首の池塘に燧が映り込む
憧れの尾瀬に完全にハイになったヨメと、やっと再開
お前は糸の切れた凧か?

「んで、お父ちゃん、どこまで行くんやった?」

こんなところまで一人でずんずん先を行っても笑顔だ
きっと満足してるのだろう

んじゃ、竜宮の小屋でランチして帰ろか

「やったーっ!ランチランチ♪」

可愛らしい竜宮の小屋、ランチはカップラーメンかカレーだけ

「見えたで、今見えたで、カレーってな、ボンカレーやで!」

あぁ、もううるさい、大きな声出すなって

「だって800円やで!涸沢やったら、もう200円足したらちゃんとしたカレーねんで」

まぁ確かに。でも、このエリアはみなさん脚で運ぶボッカなのだ

「あらま。ボンカレーてこんなに美味しかったん?お父ちゃんイケるでこれ」

どないやねん・・・。
さ、そろそろ帰ろう
なんだか厚い雲が風に乗ってこっち来てるし

竜宮付近は背の高いススキが揺れる

何故だろう、遠い昔、誰かとここを歩いたかのような、そんな不思議な記憶に心が揺れる

 

「なんか、めーっちゃ気に入ったわぁ、お父ちゃん。今度は至仏?登れるようがんばるわぁ」

ヨメさんの笑顔も揺れる

ま、そんなに気に入ったなら
来年の初夏、水芭蕉と残雪に輝く燧ヶ岳を観に、連れて来てやらなくともない、ぞ?

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何もかもが緩やかな秋の風に揺れる
そんな小春日和な一日だった

コメント

コメント一覧 (10件)

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    くすくす♪(*´艸`*)
    と、笑いたくなるような微笑ましいシーンがいっぱい頭の中に浮かびました。

    なんかほっこりするなあ(*^^*)
    いい夫婦やなぁ~♪
    0

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    そういえば、うちの嫁さんも尾瀬に行きたいって言っていたな
    もう、紅葉も終わりですよね・・・・・
    我が家も水芭蕉を見に行こうかなぁw
    0

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    まずは尾瀬ケ原への奥様ガイドお疲れさまでした〜(笑

    >何故だろう、遠い昔、誰かとここを歩いたかのような、そんな不思議な記憶に心が揺れる

    ふふっ・・・。 答えを少しだけ教えてあげましょう。
    それはね前世でも一緒だったのですよ奥様とね♪
    だから今生でもスロさんは奥様の人生の傘となるのです。
    今のこの感じから察すると・・・来生も間違いないですね♪
    とってもとっても素敵な関係。ムーチョ羨ましいですよ(笑 0

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    まろんさん

    >なんかほっこりするなあ(*^^*)

    いえいえ、時には周囲の空気が凍りつくほど
    殺伐することもあるのですよ
    あぁ、摩訶不思議なり、夫婦w

    コメントありがとうございます♪ 0

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    おやじさん

    そうそう、奥様は尾瀬と富士山でしょ?
    連れてってあげてくださいな
    水芭蕉の尾瀬、ぜひともこの隠れ家で一泊してってくださいね 0

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    kastu♨さん

    前世でも一緒?奥様の人生の傘?
    なんだかkastu兄さん、ちょいとそれは違いまムーチョw
    誰かと歩いた記憶って言うのは、ヨメではない誰かって
    そう意味でムーチョ
    あぁムーチョ
    なんのこっちゃw 0

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    もしや、もしや・・・、スロトレさんですよね?

    とあるブロガーさんからの情報で、やっと探し当てました(笑)
    最後の記事に、画面の前で呆然と立ち尽くしてしまい、
    コメントもできないままでしたが、
    お元気そうでなによりです。

    ラストラブレターの話、そのブロガーさんにしたら
    いまだに記事見ては泣けてくるそうです。(私もですが)

    上州に来られていたのですね。
    またどこかの山でお会いできるといいですね。 0

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    げんさん

    なんと!覚えていてくれました?ちょっと感激ものです
    あ、この度は出版おめでとうございます
    もちろん私も1冊は買い求めます、楽しみにしてますよ
    上州に来たでしょ?いつ、どこでげんさんと遭遇?
    なんて思うとドキドキものです
    コメントありがとうございます
    本当に感激してます
    お伝え頂いたお仲間にも感謝です。。。 0

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    すぎちゃん
    ススキ、いいカンジでしょ
    本当はもっと背の高くすっとしたシーンがあったけど
    近くで工事のヘリがじゃまして撮影できなくて・・・
    なんてことはさておき、無事帰国おめでとうございます
    この冬も大峰の画像楽しみにしてますね 0

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