





大普賢岳、小普賢岳、そして日本岳
三つの美しく尖るピークを眺めながら朝の奥駈道は清々しく
これも十三年ぶりに拝む、みなきケルンに刻まれた碑文を読む
昭和四十年五月三日、大阪某大学のワンゲル部強化合宿で小笹ノ宿から
縦走中に悪天候に見舞われ、一名が疲労遭難死したとのこと
朝靄のなか二十二才の若魂はとこしえの眠りに
まさに五月の大峰のこと
この修験道を甘く見てはならぬとの自戒の念を改める
行者還避難小屋はもう人が出払った後、静けさに包まれていた
今思えば13年前はここまで一気に歩いてたんだ
あの朽ちたハシゴや鎖を掴んでは登り、また掴んでは下り
夕闇の中を走る様に、、、よく歩いたもんだなオレ
一ノ峠の手前、稜線上から弥山を拝む
今日も美しき弥山
ここで初めて順峰(熊野本宮から吉野)のハイカーと出会った
6、7名で輪になって地図を睨んでる彼らは高校のワンゲル部だった
昨日は弥山でテン泊、今日は行者還避難小屋とのこと
え?行者の?避難小屋だって??
と聞き返すと、慌て応えるリーダらしき少年
いや、その、あの、小屋は迷惑なので、近くにテントでって指導されています
その慌てようと返事が可愛くて思わず笑ってしまう
いやいや、そう言う意味じゃなくって~
行者ってすぐそこで、あと1時間もかからないよ?
あ、はい、縦走中には休息日をとるようにと指導されてます、今日はお休みです
なんと清々しいと言うか純粋と言うか、溌溂と応えてくれる表情に
なんだかこちらまで元気をもらって別れた
朝からテント張って皆でトランプするんだってさ
ふふふっ
奥駈出合からはトンネル西口からの登山者たちが増えて来た
大峰もソロ女性ハイカーが増えていることに驚く
そして外国人の姿もちらほら、ザックからすると縦走だろう
これまでこの山域で外国人縦走者の姿には出会ったことが無いような気がする
弁天ノ森、聖宝ノ宿
この辺りはもう何度歩いたか数えきれないほど
でもこの時期、奥駈道がいちばん賑わう五月の空の下は特別だ
最後の九十九折れから眺める峰々
山上ヶ岳、稲村ヶ岳、バリゴヤの頭、大普賢岳
その裾からこちらへ向かってすっくと伸びる奥駈道
五月晴れの下この風景を眺める幸せ
弥山小屋でポカリと今夜の缶ビールを買うと
小屋の軒下に氷が落ちた跡がある、やはり昨夜の寒さで凍ったんだ
小屋番さんから手渡された缶ビールが想像以上に冷たくて
なんだか急に喉の渇きを覚えるが、いやいやダメダメ、まだダメだってば
雑念を振り払うように八経ヶ岳へと向かった
















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