冬の大阪は寒い
折りしも冬将軍到来の底冷えの1月、ある土曜日の午後
ビル風に煽られ、逃げるように駆け込むのはJRガード下
老舗のバー、新顔のカレー屋、昔ながらの喫茶店に割烹店
電車が通過する度に、狭い通路にがたんごとん
大阪のごちゃごちゃした街を凝縮したかのような場所
そこは1950年から続く、新梅田食道街
その食道街を、阪急百貨店側から入った玄関口にある
老舗の中華料理屋 「 しんきょう 」 にふらっと入る
ここでのオーダーは 「やきめし」 と決めている
中華料理店であっても、炒飯では無い、メニュー表記は「やきめし」だ
オーダーを伝え終わるや否や、ガツンガツン、カンカン、カカカン
寡黙な職人が、上を通る電車に負けない音を立て鍋を振る
出来上がったと同じタイミングで隣に座るのは、親子と見える二人
ちゃうって、それは改行やん。送信や、送信押さなあかんねん
「せやったせやった。ほれ、これでええか?お父さんのん届いたか?」
ムリ!いきなりスマホ買ぉてその日にLine始めるなんて、やっぱムリ!
「そう言わんとぉ、頼むさかい教えて。やきめし食べへんか?」
スーツ姿のお父さん、どうやら高校生の娘さんとLineがしたい様子
聞くともなしに、ついつい会話が気になって、やきめしに集中できない
だいたい、お茶飲もうて云いながら、なんでこんなお店なん?
「えぇから食べてみぃて、やきめし好きやろ?美味しいで」
出来上がったやきめし、もうもうと湯気を立てて登場
そのボリュームに目を丸くしながらもスプーンですくう、その一瞬
お父さん、オレ、カウンターの中のやきめし職人
三人の男たちが固唾を呑んで女子高生の反応を見守る
ほんまや・・・。お父さん、これめっちゃイケてるわ♪
三人の男たちは、ほっと気が緩み、笑顔になる
カウンターさえなければ三人でハイタッチしてただろう
うんうん頷きながらパクパクとやきめしを食べる娘さん
見守る男たち、がたんごとん電車の音
冬将軍も、お店の湯気と笑顔に消え去ったかのようだ
歴史有る食道街
時は流れ、人が移り代わり、街の姿が変わっても
継がれて行く大阪の味と暖かさ
どうか百年続きますように






コメント
コメント一覧 (4件)
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またまたいい話やね。
スロさんはなんでこんなん生き生きとうまく書けるんやろ。
いっつもため息ついてしまいますがな。
なぁんて、
へんな関西(と大くくりしかできない)弁やろなぁ(^^ゞ 0
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palletさん
>いっつもため息ついてしまいますがな。
ますがな、って(笑!)
さすがのpalletさん
なかなか、関西弁もお上手ですなぁ^^
お褒め頂いて素直に照れてたりします
大阪の空気が伝われば嬉しいのですが(^^) 0
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美味しく いただきました~ 0
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tabilogue2さん
>美味しく いただきました~
え?えぇーっ!?
マジですか、そうですか、参りました^^; 0