群馬の山奥へ深夜のドライブ
横浜からだとこんなに遠かったんだ
ここ野反湖へ初めて訪れたのは2012年5月のこと
それはもうGW連休も過ぎた中旬だったのに
なんとこの湖畔の山には霧氷が付いていた
その季節外れな霧氷の美しさに驚いたことを思い出しながら
10年なんて、あっと言う間だな、と感慨深く
キスゲの揺れる湖畔から歩き始めた
浅間山を眺めながら
朝露に濡れたキスゲたちの間を進む歩きやすい遊歩道
ゆっくりと野反湖が足元に広がって行く
赤城から榛名の手前
浮いてはちぎれ流れる雲が印象的で立ち止まってしまう
群馬の山も深いと改めて思う
ネットではコマクサが咲いている砂礫があったが見当たらず
ところどころ、思い出したようにキスゲの群生があるだけ
野反湖の向こう
烏帽子岩の稜線が覗く
トレイルは一度緩やかに下って登り返す
久し振りの青空が眩く心地好い
樹林の合間から北に覗くのは笠法師山のようだ
なんだか、あのカタチ妙に気になるぞ
ピラミダルな姿に胸がワクワク雲も湧く湧く
まったりと歩いて90分
あっと言う間に八間山ピーク
榛名の上には早くも雲が広がるが
日光白根の方向は青空が広がっている
その青空をバックに白砂山への美しい稜線も懐かしく
白砂の稜線をはるかに眺めながら
何か妙な違和感を覚える・・・
あれ?避難小屋が無いじゃないか
たしか、この辺りに建っていたはずだぞ
と、数歩進むと笹ヤブの中に何やら残骸が
そりゃそうだろうな、10年も前にこんな姿で
もう避難小屋としての役割も怪しい様子だったんだ
朽ち果てていても何の不思議はないさ
思えばあれは大阪から単身赴任で群馬にやって来た年
まだ戦場ヶ原と残雪の谷川岳しか歩いてなくて
関東エリアの山域に胸をときめかせていたっけ
なんだか、あれからずいぶん遠いところへ来た気がするな
と、誰もいない山頂で足元に転がる小屋の残骸に
10年と言う時の流れを想う
10年前と同じように堂岩山までは稜線を歩こう
そして地蔵峠からハンノ木沢に降ればちょっとした周回になるだろう
そう思っていたけれど、天気予報通り雲が広がり始めたので
山頂から湖畔へと下るルートとした
稜線からは岩ゴロ状態で歩きにくい急坂が続く
白樺の樹林から野反湖がすぐそこに見え始めると
突然湖畔の道路脇へと飛び出した
意外にも澄んだ湖面には
厚く大きな雲が流れる様子が映り込んでゆらゆら
水辺に立つことなんて久しくなく
突然目の前に現れた夏の情景に佇んでしまう
やがて登山口へと戻る方向は、まさに花咲く湖畔
キスゲがこれでもかと咲きじゃくり
季節外れのウグイスがあちこちで声を上げる
まるで楽園のような湖畔、さぁ気合を入れて写真を撮ろう
と、張り切ったのも束の間、大粒の雨がぼつぼつと落ち始め
一瞬で雨に濡れる遊歩道の土の香りが胸を満たす
あぁなんて懐かしい匂いだろうか
甘酸っぱいほど懐かしい夏の匂いにむせ返るようだ
腕を、顔を濡らす大粒の雨も心地よい
花と湖畔の写真は残念だったけれど
一瞬の通り雨は、夏の贈り物だったかもしれない


























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