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残雪の万太郎を望む 三国山

■山行日:2026年03月21日
■山:三国山
■目的:平標から仙ノ倉のはずだった
■ルート:駐車場(06:50)-三国山(09:10)-ワラジカケマツノ頭(09:40)-駐車場(11:50)

2024年の同じ時期に歩いた平標があまりにも印象的
あの日あきらめた、仙ノ倉まで、今シーズンこそ行こう!そう決めていた
しかし、深夜にたどり着いた平標登山口駐車場は、暴風に車が揺れて眠れないほどで
夜明けまで粘っても状況は変わらず、数台いた車もいつの間にか、二台になり
駐車場代を集金に来た人も、今日は風は止まないよ、とのこと

仕方なく駐車場を出て、ふと思い出したのは山仲間おすすめの山だった
駐車場から出ると、苗場プリンスの前を戻り、トンネルを過ぎたあたりのスペースに駐車
そこで用意をすると、国道沿いのコンクリの壁に赤いリボンを見つける
そこから、三国山へと登れるのだ
国道からは、ゆるく九十九折れ
その途中からトレースが登山道を外れて直登するのを追いかける
どうやらショートカットする雪道のようだ
広い尾根を黙々と登ってゆくと
徐々に視界が広がり、左手には苗場山らしき姿
やはり、稜線には雪煙が流れている
広い尾根が緩やかになり、稜線に近づき始めたか?
と思ったら、東の空から雲が流れ始め、谷川連峰が姿を見せた

あぁ
あれは、きっと万太郎だ
そして稜線に乗ると
西方向に広がるパノラマにも気が付いてはいるが
やはり、目の前に居座る万太郎の姿に引き寄せられてしまう
ごうごうと音を立て荒れ狂うような稜線の姿
その迫り来る力強さと、美しさ

もう、もう言葉が出ない
この雪の少ないシーズンで、しかも3月後半に
ここまで雪庇が残っているとは
その雪庇の向こうに広がるパノラマ
いったい、どこまでが見えているのか分からない
なるほど、山名板もここまで埋まってるんだ
1600mほどの標高で、ここまでの積雪とはすごい
山頂から北を望むと、平標が雪煙を上げている姿が近づき
やはり、今日の平標は無理だったなと、改めて思う
山頂から先の分岐
左に折れると三国峠へと下る、北へ進むと
大源太山を経て平標へと続く稜線だ

ここまで来たら、先へ進むしかないだろう
一度、激下ると、登り返し
その先には、三国山から望んだよりも迫力のある万太郎

ふと目が合った万太郎の、その威圧的にも見える風貌に
やや腰が引けてしまう
登り返したピーク
その名の由来は想像もつかない、ワラジカケマツノ頭
そのピークから望む北へのルートに、薄っすらと残る誰かのトレース

こうしてトレースが目で追えるということは、たった今
あの尾根を大源太から平標へ向かっている登山者がいるということだ

そうか、そうなんだ
こんな天候でも歩いてるんだ
ワラジカケマツノ頭で
平標、万太郎から立ち上る雪煙に魂を吸い込まれていたのは何分間だろう
ふっと寒さに気付くと、逃げるようにピークを後にして
三国峠へと下るルートへ
下る途中で、谷川連峰の荒れ具合とは裏腹に
穏やかな表情の苗場を前に弁当を食べながら
あのトレースの主のことを想う

無事に平標の避難小屋に着いただろうか
今夜はどんな星空を見上げるのだろうか
孤独な雪山で何を想うのだろうか

見知らぬ登山者の事を、少し羨まし気に想像するのであった
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