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冬の旅路 津軽七つの雪(前)

毎年のように冬に旅に出る

今年はみちのくへ
青森空港から弘前へ、そこからローカル線で大鰐温泉で宿泊
翌日は五能線はリゾートしらかみで、冬の日本海を肴に青森の地酒、豊盃を飲みながら秋田へ
秋田ではもちろん比内地鶏ときりたんぽで、雪の茅舎を飲む、そんな雪景色とみちのくの酒に酔うプランだった
しかし
出発前週の一月末から大寒波襲来、特に青森県は雪害の影響がニュースになっている
そんなこともあるかと、平日だから飛行機のチケットは直前まで取っていないため
急遽新幹線の旅へと切り替える、しかし、二日前まで青森駅から弘前駅まですら
電車は運休状態で、このままだと宿までもたどり着く手段が無い
旅の前日まで悩みに悩んだか

行けば何とかなるさ
当日の朝、東京駅へと向かう横須賀線の中、スマホでチェックすると
弘前までは、便を減らして運行中、弘前から先は運休
そして、この旅のメインであるリゾートしらかみは、もちろん運休

ま、行けばどうにかなるさ
青森駅で弘前行きを60分待ち、やっと乗った電車からは雪しか見えず
線路わきにもニュース映像で見たように、雪の重さで倒壊している家屋、、、
途中の小さな駅では、70歳くらいと思える人たちが作業着姿でホームの雪を
シャベルですくってはバケツに入れを繰り返している

雪に輝く津軽平野を黙々と進む電車のたどり着いた弘前駅
そのホームが半分雪に埋もれている姿に
こんな時に、のんきに旅行とか来て良いのか?と真剣に思ったほど
弘前駅周辺の道路は、まさに雪害の影響を受けたいへんな状況
歩行者が歩く場所も、積雪を掘って歩道にしているほどだった
とりあえず、ここまで来れたことにホッとして軽く乾杯し
弘前城公園へ
何故かしら、青森駅からの吹雪は弘前へ近づくにつれて消え去り
公園では晴天の下、灯篭祭りの準備作業が進められている
この灯篭に明かりが灯るとさぞかし美しいことだろう
弘前公園からのタクシー移動も、なかなか大変だった
よくぞあの道を、すいすいと運んでくれたものだ

今宵の宿は、昨年に続き二度目となる星野リゾートの界ブランド「界 津軽」だ
宿に着くとさっそく、林檎の浮く温泉へ
90分近く温泉でくつろいで、軽くお昼寝
そして、お楽しみのディナー
大間の鮪づくし懐石
これでもかと出て来る鮪、大間の鮪のねぎま鍋に圧倒されているところに、〆はづけ鮪丼
美味さと美しさに酔い、地酒に酔い
もちろん
美味さと美しさは朝食も同じく

素晴らしき宿に癒されたのもつかの間、大鰐温泉駅までは宿が送迎してくれたものの、
電車の運休は続き、唯一の手段である路線バスを待っていると、つぶ雪がぱらぱらと落ち
やがて吹雪へと変わった、いつまでたっても何処にいても雪、雪、また雪よ

そして時刻になってもバスは来ない
10分、15分、20分、もう爪先まで凍り付いているような寒さ、それでも地元の方々は待つ
ただ、じっと待つ、それも我々と違って簡素な防寒着、前に立つ老人は手ぬぐいを頭に被ってるだけ
それでもじっと待つ、その表情に、あぁ東北の人が我慢強いって、これなんだ
と、寒さで回らない頭の中でぼーっと吹雪を眺めているとバスが来た、30分待ったのだ
大渋滞する雪道をのろのろと動くバス、やっとの思いでたどり着いた弘前駅の待合室
高校生グループの中に混じり夫婦で缶ビールを手に、ただ雪景色を眺めるだけ

さぁ、どうしよう?いちばん楽しみにしていた五能線、リゾートしらかみが動かないとなると
秋田への移動は、また青森まで戻って新幹線で盛岡駅乗り換え?
その青森駅までの便も減っていて、90分待ちの状態、秋田に着くともう夜で観光も何もなし
そこまでするくらいなら、もう秋田はやめにして横浜に帰るか?とも考えたが

ま、行けばどうにかなるさ
これも旅の面白さだろう、と二人で震えながら待合室で乾杯するのであった
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