街の中華屋さんが好きだ
大手のマズいラーメン屋、セントラルキッチンの冷凍食品中華チェーン店に押され
今や絶滅種となっていても頑張っている街の中華屋さんが好きだ
この日は、たまたま立ち寄った武蔵野線のとある駅
駅前からすぐに住宅街となり、そこにぽつんと佇んでた昭和テイストなお店
もちろん、店名には”軒”が付く、やはり街の中華屋さんは軒でなければならない

そうそう、こんなカンジだ
テーブルはビニールクロス、もしくはデコラ板、もちろん赤い化粧板だな
街の中華屋さんは、こうじゃないとね、ちょいと小汚いけど
おっと、このメニューのアインアップ
イワシフライだの、トンカツだのが並ぶ辺りは関東の街の中華屋さんの特性だ
ってか、きしめん風ラーメンって何だ??

さて
入店して既に2分経過、人の気配はするが誰も出て来ない
そこへガラッとドアが開き入って来た初老のお客さん、私の前のテーブルに座る
と、絶妙なタイミングで厨房から出て来たお母さんが、はいっ、とコップ酒を置く
初老のお客さんは、美味しそうにクククッと半分ほど飲る
ふぅーっ、生き返った
チャーハンだね、兄さん何食べるか悩んでるだろ?チャーハン食べな
なんだ?このウソ臭い芝居のシーンのような遣り取りは?
だいたい、なんでこのオヤジは座った瞬間にコップ酒が出てくるんだ?
オレのオーダーはいつ聞いてもらえるのだ?と、レスポンスに困ってると
はい、チャーハンひとぉーっつ
と、お母さん
いや、オレまだ頼んでませんが?今日はあっさり醤油ラーメンな気分だし・・・
ま、いいか、嫌いじゃないし、こんな展開
お母さんのオーダーが通った瞬間、ナベが熱せられるチリチリ音が聞こえてくる
すぐに、ジャーッと炒める音、そしてカンカンカンと鍋を振る音
ぐぅ

急にお腹が鳴る
あるクライアントにお詫びに行くため、5時に起きて電車に揺られ
朝からクーラーでキンキンに冷えた部屋で、言葉よりも沈黙の方が長い
胃がキリキリする時間を過ごしたおかげで、あまり食欲が無かったのになぁ
ぐぅ
はいっチャーハンね
出て来たよ、グリーンピースが乗ってるよ、光ってるよ、美味しそうだよ

一口頬張ると、思わず笑ってしまう
そんなオレを見ながら残りのコップ酒を一気に飲ったオヤジはニタリと笑うと
すっと席を立って出て行った、フェードアウトの仕方まで芝居クサいぞ
グリーンピースはトッピングだけでなく中にもコロコロ
ちょっと硬くて大きな焼豚片もゴロゴロ
それでも食べながら胃のキリキリが治って行く
ウソ臭いオヤジめ、美味しいぞ
ってか、ランチタイムにコップ酒だけ?お金払ったの?
オレもリタイヤしたら、お昼から街の中華屋さんでコップ酒やって
青い顔したサラリーマンにちょっかい出せるオヤジを目指そっと
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