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今日の旅ごはん 博多っ子純情屋台ラーメン

福岡への出張は決まっていたが、何だか乗り気じゃなかった
その理由は、元部下であるA君と会うことだ

明るくて、バリバリ仕事をこなすA君は、公私共に人気者
その彼が、この夏から人が変わったように落ち込んでいる
その話には、いろんな尾ひれが付いて噂となっていた


数年ぶりの福岡、支社へ着くと2本打ち合わせをこなし
気の乗らない宴会へと続く

一次会では静かだったA君、二次会のラウンジでは
お姉さん相手に急に荒れ始め、白けた空気のまま、会はお開き
そして、当然の流れのように、A君と二人で中州の屋台へ
足取りも怪しく、乱暴にカウンターへ着くと

 知ってますよね、オレ、婚約者に逃げられたの

こうなると、独白させるだけだ、相槌だけ打って
ぽつり、ぽつりと1時間も独白すると、いきなり立ち上がり
こんなしけた屋台出ましょう!

ため息混じり、小雨降る中州の夜の街を歩き
小さなスナックで、ウイスキーをストレートで飲むと
A君らしくない古臭いカラオケを歌い始めた

 いつか君行くといい 博多には夢がある
  できるなら夏がいい 祭りは山笠
 人ごみに身をまかす 黄昏た中州では
  誰でもが少しだけ 優しくなれるさ
 山笠は千代町流れ 哀しみも押し流す
  このぼくの故郷は 遠い町博多

  どこか遠い知らぬ町へ
  もしも行きたいと思う時は 行くといいよ

大阪生まれのA君が、博多で出会って惚れた女に逃げられて
「博多っ子純情」を歌う姿は、憐れでしかない

 でも
 でも、オレまだ好きなんですよ

最後の〆に、別の屋台に座るとラーメン鉢を前に咽ぶA君
すると隣に座る、ベロベロに酔ったオヤジが怒鳴る

  泣かんと麺食え、ここは博多、麺が伸びたら男の恥ばい

それに応じるように、ぐずぐずになって麺をすするA君
まるでコントのようなシーンは、なんだか滑稽に思えてきて
彼には申し訳ないが、笑いながら一緒に麺をすする

恋に破れ、泣ける若さが羨ましく
そんな純情な男を包み込む雨も優しくて
博多の屋台のラーメンは心に染み入る味となった

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • SECRET: 0
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    博多は夫の初任地。
    まだ地下鉄はなく市電が走っているころでした。
    博多ラーメンも懐かしいです。
    A君、またいい人に出会えますように。 0

  • SECRET: 0
    PASS:
    palletさん
    そうなんですか
    palletさんにとって博多は想い出多き地なのですね
    市電が走ってる頃は知りませんが
    あの街に市電は似合う気がします
    A君は大丈夫です、きっとすぐにでも^^ 0

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