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カムイミンタラ トムラウシ



■山行日:2022年07月29-31日
■山:旭岳ートムラウシ縦走
■目的:カムイミンタラ
■ルート:姿見駅(07:00)-北海岳(10:15)-忠別避難小屋(16:30)
    ★忠別避難小屋(04:30)-トムラウシ(11:00)ー南沼テン場(11:30)
    ★南沼テン場(05:20)ーカムイ天井(07:40)-登山口(09:15)

化雲岳から北方に伸びる稜線
その先には天人峡への長い長いルートが伸びている
このルートも秘境感たっぷりなようで気になっている
縦走路はカムイミンタラ核心部へ
360度広がる大パノラマは、まさに神々の遊ぶ庭だ
昨年泊ったヒサゴ沼を見下ろすポイント
今朝はナッキーの鳴き声も聞こえない静寂の大地
すれ違う人も無く風の音以外何の音も無い大地
そこに在るのは庭に戯れる神の気配だけ
振り返る化雲岳への緩やかな丘状の稜線の美しさ
その広大さにふと想う
自分が歩いているのは山ではない、北の大地そのものなんだ

ヒサゴのコルから先トレイルは岩稜地帯となるが
その荒々しさの中に小さな池塘とお花畑が続く
アンバランスな美しさに酔う
それにしても誰一人出会わない、こんな素晴らしい青空の下
ハイカーたちはどこへ隠れているのだろうか
神の気配すら無くなったのか
耳が痛くなるほどの静寂の中進む
庭園を過ぎるといよいよロックガーデン
ここでやっと下山者たちとすれ違い始める
皆さんこの奇跡的な青空に笑顔
なかなか急登な岩稜を詰めているとさすがに汗が滴り
この縦走で初めて夏を感じることになる
振り返る遥か稜線の向こう
登頂をあきらめた白雲岳がこちらを見てる
行くよ、そのうち行くよ、黒も白も緑もきっと
やはり昨年と同じだ
ロックガーデンを超えるともう目の前にあるはずなのに
何故かまた距離が離れた気がするトムラウシの不思議
昨年はこのポイントで、その裏切られた距離感に挫折しかけたものだが
二度目となると果てなく続く広い稜線もなんだか楽しくなってくる
だってこんな広い山って他にあるかい?
その広い稜線を詰めて行くと白い雪渓と紺碧の水面が目に眩しく
北沼の輝きに脚を止めた


北沼分岐からは最後の詰め
これでもかと続く岩稜帯、巨岩の合間を縫ってわしわし進む

北の大地を夏の陽が照り付ける中
美しき北沼からの涼風が癒してくれる

さぁピークだ


今日はピークからの展望も明瞭だ
南方にはオプタテシケ、美瑛岳、十勝岳
少し離れた鋭角は下ホロカメトック山
化雲岳で会ったソロ青年はこのルートを辿って十勝へ向かうと言っていた
なんと壮大な縦走なんだろう


北の空の下には旭岳が座る
本当にあそこから歩いて来たんだ
この広大な原始の大地を


ピークからの遥か展望に酔い、気付いたら30分以上経っていた
いいさ、時間ならたっぷりあるんだ
南沼への下山は北沼からの冷風を受けた登りとは逆に灼熱の暑さ
たった30分ほどの下りにバテバテとなるが、テン場の美しさにハイになる

時間はまだお昼前、目の前にはトムラウシの岩稜にお花畑
そして雪解け水の流れる小川では缶ビールが待っている
今朝出合った地元のお兄さんの言う通りだ
今年いちばんの幸せ者だよオレ

そんな満ち足りた気分で夕景をながめながらウィスキーも飲み干し
スマホで天気を再確認するとやはり明日午後から崩れる様子
下山路も多くの魅力的なポイントがある、予定通り夕方のバス便に合わせて
ゆっくりと歩こう、少しくらい雨に濡れたっていいじゃないか
と、ぐっすり寝入っていたが20時頃だったろうか?突然それはやって来た
前触れも無く強風が吹き荒れ始めテントが揺れる
風はトムラウシから吹き付けられどんどん強くなり、やがて大つぶの雨
強風は雨を伴った暴風となり、シングルウォールの簡易テントは
徐々に雨が浸水しポールのしなりもかなりヤバく眠るどころじゃ無い
何が起こっても対応できるようレインスーツを着込んでシュラフも畳み
ガタガタ震えながらテントを内側から支えて夜明けを待った
4時、雨風に荒れ狂うテン場の様子は何ひとつ変わらない
ただ外が明るくなることだけ期待して撤収を始めるも
暴風のためテントを畳むことすら出来ず途方に暮れる
そこへ隣のソロテン泊者がお互い協力しましょうと声をかけてくれた
独りじゃ撤収すら出来ない暴風に向かって大声を出す
トムラウシよ、何を怒っているんだ!
どうにかお互いのテントを畳み終えると苦笑いでグータッチ
そして歩き始めてすぐの事、先行した彼が岩稜帯で風に煽られて倒れた!
そのまま起き上がれない彼が雪渓側に落ちないよう慌てて起こしてやる

こりゃ慎重に降りないとヤバいですね
蒼い顔でそうつぶやいた彼は先に行ってくれと座り込んだ
その先の岩稜エリアでは自分も風に煽られてヒヤっとする
楽しみにしていたトムラウシ公園も前トム平もすべてがガスの中黙々と下る
ようやくコマドリ沢へ下るとそこだけは雨風が防がれていて一息つく
そこで休憩中の今朝短縮ルートから登って来た数組の登山者たちに
この先の状況を伝え下山を勧めるも皆さん今一つ伝わっていない表情
後続の下山者も加わり同じように助言するが伝わったのかどうか?
これ以上は本人たちの判断次第だと沢を後にした

コマドリ沢から登り返すと樹林帯に風が止み、やっと落ち着いた
夕方16時15分のバスの予定だったが、このペースだと午前便
9時45分に乗れるかも?(*バスは日に2便のみ)よし急ごう
あとはもう必死で駆ける様に下るのみだ

トムラウシ温泉登山口までCT約6Hのところ、4Hで下りきる
慌てて温泉のトイレで汗を拭い服を着替えてバス停へ走る
ドライバーに夕方の予約を午前に変更して欲しい旨伝え
これですべてが終わったぞと、シートに座り込むと全身の力が抜けた
気が付くと60分の道のりを経て最寄り駅である新得駅だった


のどかな新得駅で缶ビールを買い
30分ほど待った特急おおぞらのシートで山旅を振り返る

今年いちばんの幸せ者だって?よく言うよ、と苦笑い
でも確かに昨日のトムラウシまでのルートは最高だった
それに当初の予定通りに歩いていたらヒサゴ沼であの暴風雨だ
例の2009年気象遭難事故と同じ状況を思い浮かべると身震いする

予報なんて完全に裏切ってしまう山、天候が激変する山
やはりトムラウシだ、そう簡単に登れる場所ではないんだ


そして昨年体感した、その広大さ故の「山に呑まれた感」も
今回の縦走で払拭出来た、いや「吹っ切れた」と言った方が正しいかもしれない
この北の大地の中心をなすカムイミンタラ縦走を経て、少しだけこの山域が
自分のものになった気がするのだ、それは奇跡的な晴天だけでなく
期せずして怒れるトムラウシに対峙することも経験したからだろう
さて次なるは十勝か日高か、憧れとして残している利尻にするか
缶ビールのほろ酔いにまかせてそんな夢をみながら山旅を終えた

コメント

コメント一覧 (2件)

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    南沼テン場から登山口まで4時間ってどゆこと? と思ってましたが、こういうオチでしたか。
    運が良かったのか悪かったのか、まあどちらに転んだとしても、澄んだ青空と雄大な景色を十分に堪能できた充実した山旅だったと、ラストの写真が物語ってますね!
    私も記事を通じて改めて大雪の素晴らしさを知ることができました。
    それにしても、山の天気は分からんもんですね~。私もここまでではないですが、予報に反して白雲で2度降られました。改めて自戒したいと思います。
    北海道はでっかいど~! 黒・赤・白・緑・・・ またチャレンジして下さいね~ (^^)/
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    GRIさん

    4時間のワケ、そうなんです、前トムまではもう爆風に耐えられるよう牛歩
    でしたがコマドリ沢からは樹林で雨風が弱まったので小走りで駆けました
    7時間もバス待てないですからね(^^;
    運は良かったものと思い込んでます、一日前倒し出来たことで最悪の天候は
    南沼になったの本当にラッキーだったかと!
    >黒・赤・白・緑・・・ またチャレンジして下さいね~ (^^)/
    ありがとうございます、今からワクワクしてます^^ 0

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