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山の大きさを語れ 旭岳・荒涼編



■山行日:2020年07月30日(木)
■山:大雪山:旭岳
■目的:北の王者を登る
■ルート:姿見平(08:45)-旭岳(10:25)-中岳温泉(12:30-13:15)-姿見平(14:50)
大阪在住の、我が山の師匠と共に
北アルプスの地図にないルートを歩くはずだった7月末の事
梅雨はなかなか明けず、続く雨予報・・・さぁどうする?
悩んでいるところへ、師匠から緊急連絡があった
天気がダメやな、もうアルプス諦めて、思い切って梅雨の無い所へ行こう
はひ?どこ行くんですか?
北海道や、もう決めた、一緒に行くやろ?
北アルプス山行予定の二日前のことだ
北海道だって?何それ?今から?チケットは?宿は?
って言うかそもそも、どこの山登るんだ?
師匠ぉ、いくら何でも急すぎてムリですって!


ムリじゃ無かった
三日後の朝、富良野のキャンプ場で朝を迎えていた
いやいやマジか、この展開・・・
ほな、行こか
いや師匠、行先も聞いてませんが?
言うて無かったか?そらすまん、今日は旭岳や
なんだこの会話?と呆れる間もなく、コンビニで朝食と行動食を調達すると
レンタカーは美瑛から忠別湖を抜けて旭岳ロープウェーへ

10分で森林限界を超えて姿見平だ
この風景を目の当たりにした瞬間、今までの
まるで時差ボケのような妙な感覚を振り払い登山モードへ切り替わる
池の周囲は高山植物もあったが、すぐに火山礫となり
足元の黒砂は火山灰の成れの果てだろうか
ザレた上に時おり足首まで埋まる
予報では晴れだったが、目指す方向の空以外は高曇り
周囲の展望も無く、砂礫と火山の岩肌しか目に入らないが
その迫力はさすが北海道のど真ん中、大雪の主峰だ
じりじりする陽射しも、麓から吹き上がるような風が冷たく汗も乾くが
風向きによっては噴気孔からのガスを吸い込んで息苦しい
小休憩をとると、師匠が南方を睨みながら残念そうに言う
雲が無かったら忠別岳からトムラウシ、十勝連峰までずっと見えるんやけどなぁ・・・
まぁ、スーさんは、また来ることになるわ、な?
一瞬、雲の切れ間から広大な裾野が覗く
あの向こうに、あのトムラウシがあるのか・・・
金庫岩なる巨岩を廻り込むように詰めると
道内最高峰2990mのピークに立つ
なぜ今自分がここに立っているのだろうか
なんて、ふと思いながら
山頂から北方は雲が少なく、やっと展望が現れた
師匠が、あれが黒岳、あっちは白雲岳と教えてくれるが
何が何やら、どこがどれやら
そもそも札幌以外は、地理すら怪しい自分にとってはちんぷんかんぷん
周回ルートをとる我々は、裏旭へと広く残る雪渓を降る
もう7月も末、雪渓は薄汚れてはいるが、足元からは冷風が吹き上がり
汗をかいたカラダを心地良く冷やしてくれる
そして雪渓終端からは、お花畑のはじまり
名も知らぬ北の花たちは可憐で
なかでもエゾコザクラは何とも言えぬ愛らしさ
(なぜか画像は残っていない)
裏旭のキャンプ指定地から旭岳を振り返る
さぁ下りきったら登り返しだ
次なるピークは間宮岳
九十九折れの砂礫を詰めて進むと、目の前が一気に開ける
その荒涼たる台地の広がりに脚が止まる
なんだこの風景は
登山の途中で、こんなにも広い台地に出くわすなんて
これが、これが北海道の山なんだ
もう完全に心が奪われた状態で師匠の後を追う
真っすぐ東に進むと北海岳、北が間宮岳
その分岐点から目指す方向に、鋭利なピークが目を引く
師匠に聞くと、北鎮岳とのこと
北に鎮する、とは何とも素晴らしい、そして山容に相応しいネーミングじゃないか
間宮岳は荒涼たる大地にぽつねんと標が立つだけ
そのピークから北を睨みながら師匠が言う
あの北鎮は遠かったなぁ・・・
大雪はほぼ歩きつくした兵の言葉は重く、そして力強い
自分もこの途方もなく大きな山をすべて歩くことが出来るのだろうか
いつの間にか、この大きな山、その荒涼さに魅せられていた

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