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ワタスゲうつくしま 谷地平湿原

■山行日:2017年07月08日(土)
■山:吾妻連峰(谷地平湿原)
■目的:ワタスゲ
■ルート:浄土平(07:00)-谷地平湿原(10:00-13:00)-浄土平(15:30)

奥会津の山旅から2週間山を歩いていない
さぁ、今週末はどこへ行こうか、とヤマレコを何気なく見ていて
目が覚めるほどの風景に目が惹きつけられた
それは一切経山からの周回ルートを一気に歩いた記録だ
そのルート後半となる谷地平に、ワタスゲ群生が見事な風景を
創り上げていたのだ

あのルート、特に家形山からニセ烏帽子山までのヤブだけは
もう二度と歩くまいと決めていたが、谷地平はもう一度歩いてみたい
それだけだと物足りないだろうから、一切経まではひと登りして
魔女の瞳を覗くのも良いかもしれないな、うんうん

さぁ行こう
ふたたびの、うつくしま

■炎天

浄土平の駐車場から見上げる一切経は、噴煙も少なく硫黄臭もほとんど無い
2014年09月27日、この山から周回し、魔女の瞳から家形山へ登り返した
まさに、その時間、御岳が噴火したのだ、忘れられない山、一切経山
もう一度ここを登るとは思ってもみなかったけど、来てしまったのだ。

しかし、早朝から照りつける朝陽のキツさにバテバテ、酢ヶ平までの
ほんの15分で、あっさりと一切経はあきらめた、あまりにも暑いのだ
美しき鎌沼もろくに見ないで、ほぼ小走り状態、少しでも早く日陰へと
逃げ込みたくて、姥沢の樹林へ入ったときは、ほっとした

この樹林は記憶どおり、陽が届かず、鬱蒼とし、足元はジメジメ
それでも経の陽射しを防ぐことが出来るなら、ありがたいもの
それに、ときおり谷から涼風が上がっても来る

後から追いかけてきたソロ女性は、泊まり装備だ「名月荘ですか?」
と聞くと、行けますかねー?と少し不安そうな表情、たしかに
谷地平から大倉新道で東大巓への登り帰しは厳しいが、まだ9時だ
「ゆっくり歩いても充分小屋まで辿りつきますよ」彼女はほっと笑顔

苔むした岩が、朝露で濡れて、足元は最悪なコンディション
さきほどの彼女に先を譲ったあとは、誰も居ないトレイル
滑ってこけるのもイヤなので、ゆっくり慎重に下りきると
これまた記憶どおり二箇所ほどの小さな沢、そこで顔を洗ってひと息

■楽園

下りきると、ヤブの中から避難小屋の三角屋根が顔を覗かせる
あの秋の周回の際、足首を庇いながら東大巓から下り、疲れ果てたカラダを
優しく包んでくれた、思い出深い避難小屋、あのときの小屋を流れる風を
もう一度感じたい、そう思いながらドアまで近づいたが、いや、帰りにゆっくりと
寄ることにしようか、今は先へ行こう。沢を渡渉すると、小さな花たちが現れ始め
そして谷地平へと詰めると、そこは楽園だった

木道の脇に沿って、真っ白な花がふわふわ、ふわふわ揺れている
かつて、ここまでの群生は見たことが無く、その光景に脚が止まった

何だこれ
これって何なんだ
いやー、ほんと、何だこれ

誰も居ない木道に立ち尽くし、ワタスゲに囲まれて何度も同じひとり言
いや、誰か居たって同じ状態になってただろう。
吾妻連峰の谷底にも、夏の陽射しは痛いほど射して来るが風は心地好い

池塘に夏山の厚い雲が映りこみ、見渡す限り山に囲まれて
足元に、ただゆっくりと揺れるワタスゲたち
夢のようなシーンが続く

湿原の果てまで歩ききると、ゆっくりとUターン、そしてやっと周囲の
山の姿が分かるようになる。ヤブに泣かされた家形山、やっとヤブを抜けると
痛めた足首が悲鳴をあげた、烏帽子からの岩稜の下り、、、
あぁ、あの日は、あんなコンディションで、ここを周回したんだ

しばし、忘れられないあの日に浸ると、どんどん強くなる陽射しから
逃げるように、湿原を後にした。

避難小屋は、東西の窓を開けると、涼しい風が心地好く、季節は違っても
あの日を想い出しながら、ひとりランチ。しかし、今日のルート、人に逢ったのは4~5名?
こんなに素晴らしい楽園なのに、知名度は今ひとつなんだろうか、なんて思いつつ
気付くと、うつらうつら、夢を見ていた、あぁ小1時間も昼寝してたんだ

さぁ、もう帰らなければ、と起き上がるが、この小屋は相変わらず心地好い風が流れ
なかなか腰を上げることが出来ない

■明媚

谷底から、鎌沼湖畔まで、一気に300mの登り帰し、100分の急登で汗びっしょり
やっと登り返し、木道が見えると、そこへ座り込んだ。この荒涼たる光景
あの日、この光景を見て、ここは福島の雲ノ平だ、なんて思ったっけ
針葉樹と、岩の間を縫う木道はまさに雲ノ平のようだし、ぽっかりと
浮かぶような東吾妻山の姿も、まるで祖父岳のように見えてくる

その、福島の雲ノ平を抜けると、美しき鎌沼、もうこの時間には観光客の
姿も見えず、結局、谷地平からは誰一人として会うことも無く下山となった
こんなにも美しき光景、夢のような楽園なのに

でも、だ。この吾妻連峰の谷底、人知れず揺れるワタスゲの群生は
このまま、あまり人に知れず、静かなままで居て欲しいと思う

浄土平への下りで、ふと避難小屋で見た夢を思い出す
雪の降り積もった湿原に、気の合ういつもの山仲間と酒を担いで下り
あの三角屋根の避難小屋で、雪に埋もれて一夜を過ごす、そんな夢

いつか
いつか、と思いながら、うつくしまを離れた

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コメント

コメント一覧 (2件)

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    いいところです。ワタスゲの頃が一番いいと思います。
    学生運動で明け暮れていた2年次、活動家の女性と知り合い 互いに山が好きで、、、2回目の山に向かってお泊りしたのが初代三角小屋でしたw甘酸っぱい思い出。バスに揺られて浄土平に降り立ち 二人で記事と同じコースを歩いたものでしたが 翌日は雨となり・・・何事もなくそそくさと帰路につきましたとさ(´艸`) 47年前、、、って 化石のようなw 0

  • SECRET: 0
    PASS:
    tabilogue2さん

    47年前、学生運動、活動家の彼女とバスに揺られて・・・
    ですかー、そんなキーワードが並ぶとついつい
    セクトから追われる彼女を守るために、二人手を取り合って
    行くあてのない逃避行、辿り着く先はかつて武装闘争の
    軍事訓練で使った東北のある山のアジト、二人は
    そこから先は逃げる場所も望んでいた未来も無く・・・
    なんてストリーを勝手に妄想しました(すみません^^;)
    素敵な想い出ですねー
    谷地平のワタスゲが、より美しく思い返せました。 0

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