




福島から先、走る線路は奥羽本線となりスピードも遅く
豪雪地帯ならではの徐行運行で雪景色を楽しませてくれる
そんなのどかな電車旅は山形のひとつ手前、かみのやま温泉駅で終わる
駅前の観光案内所前のバス停で待つこと20分、やって来たライザワールド行きの
マイクロバスに乗り込むと、あとは無料でゲレンデまで連れてってくれる
なんて楽ちん!

ゲレンデのレストハウスでコーヒーを頂いて一息入れると
クワッドリフト、ペアリフトの2本を乗り継いでリフトトップへ
ふり返ると安達太良、吾妻連峰、そして目の前には蔵王坊平樹氷原
さぁ一年ぶりの雪靴を履いて、一年ぶりの10本爪を着けて
いざ行かんスノモン退治へ
なんと、もう本当に目の前にいるじゃないか
うじゃうじゃと群れてるじゃないかモンスターたちめ
正直、思ったのは
へ?こんなに小っちゃかったっけ?これが蔵王のモンスター?
いやいや、そりゃ積雪量やら今日までの気温やらいろんな条件があるさ
それよりも昨年歩いた最もポピュラーな蔵王RWからのルートより
確かにスノモンのすぐ近くを、いやその気になればスノモンの間を
縫うようにだって歩ける近さが素晴らしく脚が止まってしまう
だだっ広い平原、いや雪原の上にぽつんと転がる様に立つ避難小屋を過ぎると
苅田岳への稜線が見えて来るが、近いのか遠いのか
蒼と白だけの世界は距離感が掴めず、なんだか非現実感に包まれる
そんな不思議な世界を歩いていると目の前に白い塔が立っていた
なんだこれ、いったいどこを歩いてるんだ?
まるでSF映画のシーンに迷い込んだみたいだ
タイトルは「雪の惑星」だ
参考にしていた記録では冬季休業の苅田リフトの下を歩いていたが
誘導ポールは、その脇の圧雪された広いルートを歩くよう指示してる
その指示に従って再び現れたモンスターたちを睨みながらひと登りすると
なるほど
昨年歩いた熊野岳からのルート、お釜が望める馬の背のポイントに出合った
どうにかお釜は望めたが、突然暗くなった空からは強風が降りて来る
いや、これも昨年の爆風に比べたらたいしたことではない
ただ、このままだと予報よりも早く天気が崩れるかもしれない
と空模様が気になって足早に苅田岳へ
熊野岳からのハイカーで賑わっている苅田岳は山頂を踏んですぐに後にする
さぁこのまま曇天で崩れるならライザゲレンデに戻るか?
それとも予定通り熊野岳へ周回するか?
と悩みながら分岐点へと引き返していると、突然空が光った
するとそれまでの白濁の風景は一変し、また蒼と白の世界へと戻る
そうやって再び雪の惑星へと降り立った
どこまでも続く果てなき雪原を
宇宙から降り注ぐ光が射してゆく
熊野岳への登りでは息も絶え絶え
前後して歩くツアーの皆さんと、最高ですね、最高ですよねと何度も声を出し
そして山頂からの眺望に声を失い立ち尽くす
あぁこんな日に歩かせてくれてありがとう
蔵王神社の神に手を合わせた
そんな感動的な山頂を後にすると大きく下り
そこから地蔵岳へと登り返すと、もう雪の惑星ツアーも終わりだ
登り返しの途中でRW山頂駅下のスノモンが見えている
その姿に励まされて一気に地蔵岳へと詰めると、そこは場違いな観光客の喧騒
どうやらお隣の国からのようで、雪つぶてを投げるわエビのシッポは蹴って壊すわ
傍若無人な行為に怒りすら覚え、睨みながら指さしサムズダウンのサインで横切った
RW駅に降るとまだ13時だ、気分直しに少し樹氷の森を歩こう
と駅からスノモンの巣へと下って行くと、スノーシューのトレースが奥まで続いている
何気なくそのトレースを追って樹氷の森の奥へと下りスノモンを下から見上げ
その美しさにため息をついた
トレースの主は大きな三脚でレンズを構えた老カメラマンだった
そのカメラマン氏は独り言のように話す
「どんどん小さくなっていくな、もうモンスターなんてものじゃ無い」
10年以上毎年撮影に訪れてるその方によると、この数年で一気に樹氷が
小さくなっているそうだ、温暖化のせいですか?と問うと
「もちろんそれもあるが、樹そのものが年々痩せ細って行くな」そう嘆いた
だから今のうちに見ておいた方がいい。もう遅いかもしれないけど
その独り言のような最後の一言が重く残った
たしかに去年初めて見た蔵王のモンスター、その群れの姿に驚きはしたものの
もしかすると長野の根子岳の方が大きいかもしれない、そう思ったのも事実だ
もう遅かったのか・・・
そんなシリアスな会話で知らせれた悲しい現実も
下山のゴンドラから見下ろすミニモンスターたち
その群れを輝かせる青空の美しさにかき消され
いずれ消えゆくかもしれない
そう思うとこの絶景もより愛しくなり
そんな想いも冷えた身体も
さぁ大好きな湯で暖めて癒してもらおう
昨年も利用した共同浴場へと温泉街をとぼとぼ歩き
誰もいない湯を独り占め
小さな湯舟、やわらかな湯けむり
語りかけるように差し込む陽の光に包まれて
あぅむぅぅぅぅ。。。
たっぷり湯に癒されて温泉を後にするとバスターミナルはインバウンド客の大喧騒
マジかよ?こんな行列じゃ今日中に東京まで戻れないぞ?と、そこへバス会社から
おひとり様空いてますよー、その声に大きく手を挙げて人ごみの中を縫った
なんてラッキー!するとあの地蔵岳の連中が行列にいたので、もう一回サムズダウン
でも今度はニヤリと笑って過ごしバスへ飛び乗った(大人げないかオレ?)
山形駅で缶ビールと駅弁「みちのく弁当の旅」を買い
つばさ154号のシートへ落ち着くと旅は終わり
車窓に映る少し寂し気な東北の夕景に乾杯した
蔵王の樹氷よいつまでも































コメント
コメント一覧 (2件)
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これだけ晴れてこれだけ真っ白な中に立てたら、ホント雪の惑星!って思えますね。
こんな日に歩けて羨ましい~~~
私もまだ山歩き始めたばかりのころ、地元ガイドさんの案内でライザから歩いたけど、初めて見るモンスターの大きさに驚いた記憶。
その時は天気が崩れるからと山頂まで行かせてもらえなかったんだけど、気のいいオヤジさんで今も良い思い出です。
そっか、日帰りで行けるんですね。
私も来シーズンは天気の良い日を狙って日帰りしようかな。
あの蔵王の湯に入っても間に合うなんて♪(スロさんだからか)
まあ、私が晴れの日狙っても、行ってみたらガスガスあるあるですが。
痩せててもモンスターがいるうちに・・・
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cyu2さん
このパターン日帰りか泊りか別にしても、おすすめです
メリットは、かみのやま温泉からのバスが無料なのと
何よりも平日でもインバウンド客で大行列の朝の蔵王RWをパスできる
ことが大きいでしょう(この日の朝も酷い状況だったそうです)
日帰り自体のメリットは、言わずもがなですが最新の天気予報で
ギリギリまで決行を判断できることですよね
まぁ山形まで来て日帰りはもったいない気もしますが
私のようにソロ山行だと、温泉泊っても味気ないので(涙
そうそう痩せててもモンスター!蔵王のモンスターです!来年もぜひ(^^ 0