楊偉民(ヤン・ウェイミン)老板の息がかかっている上海の狂犬
元成貴大哥からの招待で広州へ飛んだ
空港まで迎えに来ていた最新の黒塗りのレクサス
ドライバーは何も言わず高速道路を飛ばすと
何の前触れもなく、省で一番豪華な五星飯店に着けた
イチバン、ジョートーな部屋、とってあるよ
そうやって会う前から自分の位置を相手に知らしめる、それが昔からの大哥のやり方だ
ドライバーのカタコトなニホンゴに頷いてロビーに向かった


オフシーズンのホテルにはビジネスマンらしき姿しか見えない
だが、油断でしてはならない
あの、狂犬と呼ばれる元成貴が絡んだ話なのだ
ベッドの下、ミニバーのドリンクの裏、クローゼットの鏡の裏
手が入るところは全てチェックした
どうやら盗聴器や、妙なクスリの類は隠されていないようだ
ふっ
心配し過ぎだって?そんなことを言うヤツは、知らないのだ
ドラゴンの恐ろしさを知らないのだ
シャワーを浴びる前にジンを生で一口飲る
少しでも酔わないとやってられない、だからと言って酔っ払うのはダメだ
それは死にたい者のやることだ
ほら
チェックインから、きっかり1時間後
部屋の電話が鳴る、上海の狂犬 元成貴のお呼びだしだ
これもいつものこと、既に深夜なのに、例の海鮮飯店に来いと言っている
覚悟を決めて来たはいいが、狂犬はその姿を見せない
先にやってろ、そう言っているのだ
いいさ、食べたくも無い料理を食べてやろう
さすがに独りで黙々と咀嚼するのに飽きた頃
ウェイター相手に、上海人をネタにしたとっておきの小噺をするが、誰ひとり笑わない
あなた、死ぬよ、そのネタ大哥が聞くと死ぬよ
殺りたければ殺ればいい
俺はそうやって独りやって来たのだ
そうだ、楊偉民の威力を借りてだ
でも、もうその威力ともおさらばだ、その覚悟で来たのだ
・・・
なんて
初めての中国は広州への出張、頭のカは愛読している馳星周ノワールの名作
不夜城の登場人物が次から次へと出て来ては喋り出すのだ
ま、さしずめ自分は主人公の劉 健一(リュウ・ジェンィー)なのだ
いい歳ぶっこいて、出張先でほろ酔いでそんな空想に溺れてりゃ世話無いよな
夜、ヨメさんにホテルと空港の画像をケイタイで送ってやっていた
返信は翌朝のこと
で? ジャッキー・チェン とかおったん? ホイ三兄弟は?
ヨメよ、残念ながらジャッキーチェン先生には会えなかったよ
ってか、ホイ三兄弟って
あぁ、オレのハードボイルドな空想が・・・
(´・ω・`)
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コメント
コメント一覧 (2件)
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ジャツキーチェンもホイ三兄弟も
「香港」ちゃいまっか??
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tanさん
はいはい、もちろんサモハンキンポーも香港ですよね
一回、ウチのヨメさんに教えてやってくださいw 0