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鎮魂 晩秋の御嶽山



■山行日:2020年10月06日(火)
■山:御嶽山
■目的:紅葉ハイク
■ルート:黒沢口(06:45)-剣ヶ峰(10:45-11:15)-三ノ池乗越(12:20)-石室山荘(13:15-13:45)-黒沢口(15:45)


信越方面のヤマに連続して振られている
この日も前日までの予報はまずまず、だったが直前のヤマテンで
午前中は雨が残ると知り、また諦めてしまった
さぁてどうする、どうしよう
と例によってヤマレコを参考にすると、紅葉が良いカンジの風景に目が止まる
ふむ、御嶽山か・・・そうか御嶽かぁ
自分の中でも、いつか行く山と決めていたけれど、それが明日なのか
いや、これも何かの縁かもしれないな

深夜の中央道を塩尻で降りると、トラックばかりの国道19号をひた走る
そして霊峰ラインのカーブを何度も過ぎて駐車場へ着いたのは4時過ぎだった
平日なのに満車で賑やかな駐車場から歩きはじめると、山道脇には石碑や祠が立つ
足元は階段状で歩きやすく整備されてはいるが、朝露に濡れ滑る


一時間ほどで七合目の行場山荘
名物ちからもち、どんな餅なんだろうか
山荘前には覚明社があり、その下の紅葉の滝が行場だ
この辺りから御嶽信仰を肌で感じるようになる
行場山荘からは勾配がきつくなり、樹林もカラマツが色付き
ふと気付くと赤いナナカマドへと変化していた
予報に反してどんどん雲が広がる空を恨めし気に見上げ
振り返ると南アルプスの稜線、あれは甲斐駒だな
行場山荘から45分で八合目、ナナカマドに囲まれた女人堂
やはり山岳信仰の女人禁制は、ここ御嶽にも有ったようだ
女性信者の入山はここまでで、このお堂から神の頂を拝んでいたんだろう
女人堂から先はハイマツ帯となり、足元は火山礫でザラつくようになる
金剛童子や無数の霊神碑が立ち並び、これより先は神の領域だ
ヘルメットの紐を締め直し登る
石室山荘を過ぎると空気が変わる
もうそれは冬のものだ
インナーベストを着込んでグローブを着ける

二ノ池との分岐を過ぎると、ふいに強風となった
前傾で俯いて詰めていると、目の前にシェルターが三基
そして慰霊碑があった
しばし手を合わせ、あの日を想った
あの日、自分は最高に幸せな山旅を過ごしていた
なのに、同じ時間に同じように秋晴れの山を楽しんでいた人たちは・・・
剣がヶ山頂、薄暗い空の下鐘を三度鳴らした
鎮魂の思いを込めて大きく鳴らした
30分も山頂で立っていると、カラダは凍え切って震えが止まらないが
空は雲が晴れ始めていた
剣ヶ峰から下ると、二ノ池方向へ分岐する
火山灰で埋まった二ノ池は沈黙の世界
そこだけ世界が止まったかのような静けさ
なんと荒涼とした風景だろうか
噴火後に建て替えられたニノ池山荘をスルーして
ニノ池山荘ヒュッテへと向かう
あの日多くの登山者が逃げ込んだヒュッテには、今も噴石が屋根を破って
破壊された部屋が当時のまま残されているそうだ
ヒュッテから足元に広がる賽の河原
その北方には北アルプスが浮く


賽の河原ですれ違った若者に摩利支天まで往復する時間を尋ねると
急ぎめで90分だったそうだ、下山の時間を考えて三ノ池乗越までと決めた



三ノ池の姿も美しいが、やはり北アルプスに視線を奪われてしまう
穂高連峰がすっきりと見渡せるじゃないか
賽の河原から尾根に登り返すと、石室山荘へ
この山荘も、あの日多くの避難者を受け入れていた
このアルプスが臨める窓が舞い上がる噴煙で真っ黒になり
噴石が落ちてくる音と悲鳴が響き渡るニュース映像が蘇る
青空になって良かったですね
穏やかな声で語りかける小屋主さんに
あの日のことを聞いてみたかったが、それは躊躇われ
今年の紅葉の具合や、新型コロナの影響など会話させて頂く
朴訥な語りにある暖かさに
何といえば良いのだろうか
大きな力強さ?そんなものを勝手に感じていた
明日はもう雪なんです
今年はいろいろ有りましたけど、もう雪です

土間に置かれた炭火の暖かさ
窓から見える冬枯れの南アルプス
お鉢から立ち上る湯気
そして朴訥な語りの小屋主さんの言葉
先ほどまで感じていた深い秋の空気が
一気に冬の香りに変わり
何故だか急に寂しくなって、急いで下山した

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